女性の不良、いわゆる「スケ番」と呼ばれる女の子たちが、かつては漫画の中でヒロインの一つの定型としてあったと思います。
特徴としては、
・制服のスカートを長くし、タバコを吸ったり授業をさぼったりする素行の悪さ。
・喧嘩が強く、独自の武器を使うことも。
・ガラは悪いが、すじの通った性格の持ち主。
・その素顔は繊細でかわいらしい。
というところでしょうか。
こわいけれど、かわいい。
いわゆる素直な明るい女の子とは違う、その二面性が彼女たちの魅力なのかもしれません。
今回は、そんなスケ番ヒロインの代表格をまとめてみました。
※()内は登場作品
・麻宮サキ(スケバン刑事)
独自の武器を駆使して戦うスケ番というキャラを定着させた「スケ番」漫画の押しも押されもせぬ金字塔。ヨーヨーを武器に戦う高校生刑事・麻宮サキの物語です。実写版では、斉藤由貴、南野陽子、浅香唯、松浦亜弥らそうそうたる人気アイドルたちがこの「麻宮サキ」の名前を引き継いで演じてきました。
・鮎川まどか(きまぐれ☆オレンジロード)
札付きの不良と恐れられ、学校でも孤立していたまどか。しかし、主人公・春日恭介と出会って、彼に心を開いていくうちに、その女性らしさやかわいらしさををどんどんのぞかせるようになっていきました。80年代に人気を博した不良系ヒロインといえば、間違いなく彼女。かわいく素直な一面もありますが、決して優等生タイプのヒロインではない、そのキュートでコケティッシュな魅力で、支持を集めました。
・天野邪子(3年奇面組 ハイスクール!奇面組)
女不良グループ・御女組のリーダー・天野邪子。作品中での出番は決して多くはありませんでしたが、美人で勇ましい姉御肌のキャラクターで人気を集めました。グループのメンバーたちのために、自ら普通の女の子に戻ろうとするなど、友情に熱い一面も。
・弁天(うる星やつら)
実は、作品中で伝説のスケ番と恐れられていた設定もあったヒロイン・ラムとその友人たち。ただ、彼女たちの中で実際に不良だったのは、この福の神族の弁天ですね。エアバイクを乗り回し、男言葉で喧嘩上等。とはいえ、美女でかわいらしい一面も。
・石川美加(さすがの猿飛)
忍者を育成する忍ノ者高校のスケ番・美加は、ウェーブのかかったヘアに高校生らしからぬ大人びた雰囲気の美少女。作品のヒロイン・霧賀魔子とは違った魅力で、人気を集めました。なお、弁天と石川美加はどちらもアニメ版の声優を男勝りな少女キャラに定評のあった三田ゆう子さんがつとめています。
改めて見返してみると、これだけ、魅力のあるスケ番女子がいたのだなと、驚かされます。
21世紀になってからは、不良を示すキャラ性は「ヤンキー」に変わっていった気がしますので、このいわゆる「スケ番」キャラはすたれた感があり、少しさびしい気もしますね。