同人ゲームから始まり、今やその名は誰でも知っていると言っても過言ではないホラーゲーム「ひぐらしのなく頃に」。ここからは番外編です。過去記事については記事末尾を参照。
番外編その一は、平成18年の雛見沢を描く『宵越し編』です。
【あらすじ】
平成18年、雛見沢は自殺の名所として知られるようになっていた。そこへ訪れる数々の訪問者が集まり、何かの縁で一夜を共にする。果たしてその先に何があるのか……?
【みどころ】
複数のペンネームで数々の漫画を手がけている、みもり先生が作画を担当。内容も原作にはないオリジナルストーリーの書き下ろしなので、コミックでしか楽しめない。『宵越し編』は、昭和58年6月に雛見沢に起こった大災害により、一夜にして村が全滅したという「カケラ」の先の物語だ。20年余りの年月を経て、ようやく封鎖が解かれた雛見沢に集まってきたのは、自殺志願者やオカルトライター、不仲なカップルなど。その中に「園崎魅音(そのざき・みおん)」を名乗る女がいた。主人公の乙部彰(おとべ・あきら)は昔の悟史にそっくりで、それをきっかけに魅音と行動を共にすることになる。
魅音が向かったのは昔の古手神社。集会所で雨をしのごうとすると、そこにはカップルの先客がいた。そして魅音の予言通りやってくる、「もう一人」の男。彼らは各自不思議な体験をするが、魅音は「雛見沢ではよくあること」と言う。一体それらの事件の真相は……?
オカルトライターの男の情報では、園崎魅音は過去の事件で亡くなっていることがわかる。それでは目の前にいるのは何者なのか?意味深な発言の多い、大人になった魅音の凛々しい姿がみどころだ。殺人の容疑をかけられてもどうともしない気風の良さは健在。後半の強くなった彰には感動し、魅音の戦いぶりには戦慄するだろう。オリジナルの番外編とは言え、ファンとしては見逃せない作品だ。
【作品データ】
・作者:原作・監修/竜騎士07 作画/みもり
・出版社:スクウェア・エニックス
・刊行状況: 全2巻
【参考記事】
・今さら聞けない『ひぐらしのなく頃に』入門講座
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その一『鬼隠し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その二『綿流し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その三『祟殺し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その四『暇潰し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に・解』を紐解く・その一『目明し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に・解』を紐解く・その二『罪滅し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に・解』を紐解く・その三『皆殺し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に・解』を紐解く・その四『祭囃し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に・礼』を紐解く・『賽殺し編』