【あらすじ】
学年中途から小学3年生の担任になった青木大介。受け持った子供は、ませた少女の九重りんたち。不登校の宇佐の原因は過去の担任にあり、その担任を辞職に追いやったのが九重りんと知る青木。その時彼はどうするのか? 子供だけでなく、教師も恋して成長する、ちょっとエッチな純愛ラブコメここに完結!
【みどころ】
最初の方や、時々しか読んでいなかった人は、『こどものじかん』を「エロロリ漫画」と誤解しているかも知れない。確かに小学生のくせにパンツを脱いだりして、ませている九重りん(ここのえ・りん)や、同性のりんに愛情を抱く鏡黒(かがみ・くろ)など、キャラクターは濃い。不登校の宇佐美々(うさ・みみ)は性には疎いが、身体の成長が早く、誰よりも早くブラをつけ、生理も始まる葛藤を抱えている。
「好きな人はいじめたくなる」と青木いじめに余念がないりんだが、実は幼い頃にシングルマザーだった母を亡くし、いとこのレイジと暮らしていた。生活は楽ではないが、りんに恋人だった母親、秋(あき)の面影を重ねてしまうレイジは、青木を嫌う。一方青木も、りんへの自分の思いに気付かないまま、レイジからりんを守ろうとするが……?
教師陣も濃いキャラクターで、朴念仁の青木に恋心を抱くボイン先生こと法院(ほういん)先生や、黒に気に入られて無意識に癒されるお局教師、白井先生、料理好きのマッチョな小矢島(おやじま)先生と白井先生の複雑かつ簡潔な関係など、大人たちも成長している。
何より、この作品がただのエロでもロリでもないのは、レイジのアダルトチルドレン性を描いているところや、小学生に教える性に対して教師が悩むところ、子供同士での身体の発育が違うところや、いじめ問題などを、真っ向から描いているところだ。決して逃げない青木のように、いろいろとゴタゴタは起きるが必ず解決の糸口が見つかるところが心温まると言えよう。
この作品はそんな中で、小学3年生とりんと、23歳(童貞)の青木が純愛を貫き通す、ラブコメでありながらも純粋な恋愛物語なのである。まずは偏見を取り除いて手にとって見てほしい。レイジたちと青木の同居や、修学旅行でのキス騒ぎでの青木の啖呵、最後の校長とりんの危機など、みどころ満載のコミックだ。もちろんハッピーエンドなので安心して読んでほしい。
【作品データ】
・作者:私屋カヲル
・出版社:双葉社
・刊行状況:全13巻