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2013年夏、迫り来る猛暑より“アツイ”展覧会が松屋銀座で開かれる。
『新世紀エヴァンゲリオン』(以下、『エヴァ』)といえば日本のアニメ界を代表するSFアニメ作品の一つだ。庵野秀明監督とGAINAXによって生み出された『エヴァ』は、1995年のTV放送から現在シリーズ進行中の新劇場版まで人気を膨らませ続けてきた。「アニメ=子供の観るもの」という概念を覆した作品であり、社会現象という旋風を巻き起こした作品でもある。もはやアニメ界のマスターピースといえるだろう。
ただし、筆者個人の意見としては、子供にこそ観せたくないアニメの代表格といえる。しかし、この作品には麻薬効果がある。一度見たら忘れられない、新作と聞けば無視できない、そんな絶対的な魅力が備わっているのだ。
『エヴァ』は、使徒と呼ばれるどこからともなくやってくる地球外生命体から、地球を守るために闘う14歳の少年少女の生き様が描かれている。キリスト教の旧約聖書に示されるアダムとイブがモチーフにされた作風は、ただ宗教をもじったSF作品ではない。作品の中には、確かな哲学と人間の根源を揺さぶる“何か”――おそらく人が「心のより所を求める理由」が根付いている。それゆえにコアなファンが多いのだろう。
それほどまでに深く愛されてきた作品だが、実は本格的な作品展は今まで開催されたことがない。来たる8月に開催される『エヴァンゲリオン展』は、『エヴァ』が世に出てからの18年間で初めての本格的な作品展となる。本展で公開される1300点を超える資料のうち300点のオリジナル原画(生原画)は、これまでどこにも展示されたことのない貴重な資料だ。
初公開となる最新作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の原画のみならず、設定資料や貞本義行氏のコミック複製原画などの展示物も見られる。碇シンジや綾波レイら人気キャラクターの謎、少しずつ形を変えながら描かれてきた壮大なストーリーの全貌を鮮明に振り返っていただきたい。
また、物販コーナーには「EVANGELION STORE GINZA」が期間限定で出店。図録や展覧会限定グッズをはじめ、2000アイテム以上の関連グッズが販売される。ここでしか手に入らないレアグッズを忘れずに手に入れてほしい。
『エヴァ』の人気を考えれば、東京での20日間という展覧会開催期間は決して長くない。だからこそ、ファンの熱い想いはこの20日間に凝縮されることだろう。見逃すことのないよう心して開催期間に挑んでいただきたい。
※『エヴァンゲリオン展』は2014年末まで全国を巡回予定
【展覧会日程】
開催期間:2013年8月7日(水)~26日(月)
時間:10時~20時(入場は閉場の30分前まで。最終日は17時閉場)
会場:松屋銀座8階 イベントスクエア
主催:朝日新聞社、日本テレビ 監修:庵野秀明、カラー
協賛:サンエムカラー 会場デザイン:祖父江 慎
入場料:一般1,000円(700円)、高大生700円(400円)、中学生以下無料
※( )内前売料金 前売り:ローソンチケット(Lコード37000)、
セブンチケット(セブンコード024-161)
8月6日迄販売予定 問合せ:松屋銀座 03-3567-1211(大代表)
【コミックデータ】『新世紀エヴァンゲリオン』
・作者:貞本義行
・出版社:角川書店
・刊行状況:全13巻(完結)
映画に先駆けて1995年より連載開始したコミックは2013年7月、18年間にわたる連載を終了。コミックス累計発行部数は2300万部にも及ぶ。映画シリーズもいよいよ最終作を残す限りとなった今、“連載終了”はクライマックスへのファン心理を大いに盛り上げてくれている。
【関連URL】
・『エヴァンゲリオン展』ホームページ
http://www.asahi.com/event/evangelion/