同人ゲームから始まり、今やその名は誰でも知っていると言っても過言ではないホラーゲーム「ひぐらしのなく頃に」。過去記事についてはこちらを参照。
【参考記事】
・今さら聞けない『ひぐらしのなく頃に』入門講座
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その一『鬼隠し編』
・コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その二『綿流し編』
今回はコミック版第三弾、主人公の前原圭一と、仲間のトラップガール、北条沙都子を描いた『祟殺し編』です。
【あらすじ】
昭和58年、大都会東京から、何もないド田舎の雛見沢に引っ越してきた前原圭一(まえばらけいいち)。年齢もバラバラな一つの校舎で学ぶ学校にも慣れた。そして、北条沙都子(ほうじょうさとこ)が毎朝仕込むトラップにも! 明るく元気で、少し意地悪な沙都子だが、実は壮絶な過去を抱えていたのだった……。
【みどころ】
沙都子が仕掛ける数々のトラップの突拍子のなさに注目。本当にこんな仲間がいたら楽しいだろうなと思わせられる圭一の学校生活は、ホラー作品とは思えない快活さがある。しかし例によって写真家の富竹ジロウ(とみたけじろう)にダム戦争やバラバラ殺人事件の話を聞いてしまったことで、圭一の楽しい毎日が狂いだす。そして風邪で熱を出して訪れた診療所の看護婦、鷹野三四(たかのみよ)に、「綿流し」のお祭りと「オヤシロさま」の伝説の話を聞かされてからは、綿流しが気になって仕方がない。
1巻では、部活で料理対決があり、沙都子と梨花(りか)が前夜に訪ねてくる。そこで圭一は梨花から沙都子に兄がいたことを知らされた。圭一と兄の悟史(さとし)を重ねているのだと諭された圭一は、なるべく沙都子に優しくするようになる。野球部の試合でも「口先の魔術師」を名乗る圭一の妙案で勝利し、穏やかな時間が流れていった。
しかし1巻末から悲劇の予兆は起こり始める。悟史の話をすると口をつぐむ仲間たち、「オヤシロさまの祟り」に夢中になってしまうレナ、そしてとうとう沙都子が学校に来なくなってしまった。原因は一体何なのか?
重々しく始まった2巻では、圭一は仲間たちと対立してしまう。こうなったら一人でやるしかない。沙都子を救うためにはこうするしか……! 果たして圭一は沙都子を救えるのか?
名前で勘違いされそうだが、鈴木次郎氏は女性だ。同じ竜騎士07氏の作品では『うみねこのなく頃にepisode2-Turnofthegoldenwitch』を担当している他、オリジナルの漫画やイラストでも活躍している。快活な日常と、壊れていく人間たちの姿を描いたホラータッチの落差を堪能しよう!
【作品データ】
・作者:原作・監修/竜騎士07 作画/鈴木次郎
・出版社:スクウェア・エニックス
・刊行状況:全2巻