【あらすじ】
青春時代、誰にでも背伸びをした経験があるだろう。同時に多少の罪悪感を感じながらも。

本作『モンクロチョウ』は、県内有数の「チャラ高」私立唐草学園に通う岡部正也が主人公。彼は、女性に苦手意識を持ちつつも、自身を徹底的に偽り、女遊びの激しい友人グループに身を置く男子高校生で更には劣等感に固まりだ。想いを寄せる幼なじみ、白石桃子と、見た目は清純派の美少女だが、実は遊び人の高田リサとの関係に苦悩する男子高校生特有の痛々しさが描かれている。

『FASHION FREAK’S ROCKY ROAD』で第29回BF新人まんが大賞佳作を受賞してデビューし、『ウメニウグイス』『喰う寝るふたり 住むふたり」』など、心暖まるストーリーを提供してきた、日暮キノコが見せる新境地。

【みどころ】
本当の俺は、こうじゃない。自分の心に潜む魔物との対話が聞こえてくる。そんな正也の気持ちを代弁したくなる。キレイな新興都市に住み、通っているのは他校の女子にモテモテな通称「チャラ高」。日々カラオケ、合コンと遊びまくりの青春を謳歌しているはずだった。実際は、団地に住み、自分を殺して他校の女子にモテモテなグループに合わせて付き合い、日々カラオケや合コンに明け暮れるが、実際は女性の扱いがわからない。

そんなリア充もどきの青春を送っていた正也にも転機が訪れる。色恋とは無縁……と勝手に思い込んでいた幼なじみの桃子とのことが及びそうになった時、桃子が実は経験済みと知ってしまった。プライドだけは高い、正也はその場から逃げ出し、チャラ男道を一直線。合コンで知り合った高田リサと付き合いだし、青姦、友人の前で威張ると何でもありの状況を作り出し一時的なリア充を手に入れた。そんな正也を再びズタズタにしたのは、「チャラ高」の中でも最もイケメンで女にモテまくる遊び人新堂と付き合いだした、激ヤセした幼なじみの桃子を見てからだった。
痛々しいけど、どこか憎めない。そんな青春時代を送っている、高校生の日々の葛藤が綴られている。

【作品データ】
作者：日暮キノコ
出版社：講談社
刊行状況：1巻まで（続刊）