【あらすじ】
「紅天女」の上演権を持つ大女優・月影千草。彼女にはもう1つ顔があった。それは、世界の悪と戦う伝説の女スパイ「ザ・ムーン」。しかし、彼女はある日、突然、悪の組織に誘拐されてしまう。
囚われの身となった千草を救い出すべく、千草の後継者、北島マヤと姫川亜弓の二人のスパイとしての救出ミッションが始まった…
【みどころ】
今年、50巻目のコミックスの発売が予定されている少女まんが界のロングラン作品『ガラスの仮面』(美内すずえ)ですが、まさかのギャグ満載のFLASHアニメ・バージョンのパロディ、『ガラスの仮面ですが』が、今年、4月からBS12 チャンネルTwellVにて放映され、話題を呼びました。
そして、この『ガラスの仮面ですが』、TV放映だけにとどまらず、まさかの劇場版『ガラスの仮面ですが THE MOVIE女スパイの恋! 紫のバラは危険な香り!?』が公開されることとなりました。
作品の上映中、あれこれ出てくる荒唐無稽な設定と展開に、ただただ「まじすか…」「いいのか?」そんな言葉が頭の中で飛び交っていました。とはいえ、この荒唐無稽は、決して何もかもやみくもに作られたわけではありません。あくまでも作品のツボをきちんとついていて、ファンの心理をうまくくすぐる絶妙なパロディに仕上がっています。。
長期連載で、多くの名場面、名セリフを生み出してきた『ガラスの仮面』に対して、多くのファンが愛情と親しみをこめて、数々の場面に突っ込んだり、パロディを作ったりしてきた。この映画は、そんな『ガラスの仮面』のパロディの決定版です。『ガラかめ(ガラスの仮面 の愛称)』を愛する人たちなくして、このようなパロディ作品が登場することはなかったでしょう。
月影千草が女スパイだったというまさかの設定に、「まあ、あの人なら、やりかねないだろうな」と納得し、また、スパイミッションに繰り出すマヤと亜弓も、これまで彼女たちが重ねてきた芝居の稽古という名のそれを逸脱した修行の数々を思えば「いや、彼女たちはできるにちがいない」と、ただただうなずくばかり。マヤと亜弓のキャラクターは、『ガラかめ』本編にも忠実であり、亜弓の優秀っぷり、マヤの天然っぷりも健在です。
また、この映画の特筆すべきトピックがゲスト声優として参加しているTHE ALFEEの高見沢俊彦氏。彼の演じる敵のボスは、映画のオリジナルキャラクターであり、ある意味「まんま」の姿とキャラクター性の持ち主なのですが、高見沢氏の声がきちんとはまっており、好演しています。
今回、高見沢氏がこの映画のために書き下ろしたという主題歌もさすがのクオリティ。映画公式サイトによせられているコメントによると、当初、高見沢氏は『ガラスの仮面』(本作)のオファーと思い、そのイメージで作ったとのこと。確かに『ガラかめ』本作のテーマとして、遜色のないドラマティックソングに仕上がっています。
この映画を見た人は、本作の名セリフがごとく、「マヤ、おそろしい子…」と唸ってしまうかもしれない(たぶん)
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【関連URL】
・劇場版『ガラスの仮面ですがTHE MOVIE』公式サイト
http://garasunokamendesuga.ponycanyon.co.jp/movie/
・白泉社『ガラスの仮面』公式サイト
http://www.hakusensha.co.jp/glass/index.html
・『ガラスの仮面ですが』アニメ公式サイト
http://garasunokamendesuga.ponycanyon.co.jp/