同人ゲームから始まり、今やその名は誰でも知っていると言っても過言ではないホラーゲーム「ひぐらしのなく頃に」。過去記事についてはこちらを参照。
【参考記事】
今さら聞けない『ひぐらしのなく頃に』入門講座 ~原作編~
コミック版『ひぐらしのなく頃に』を紐解く・その一『鬼隠し編』
今回はコミック版第二弾、主人公の前原圭一と、その大事な仲間、園崎魅音を描いた『綿流し編』です。
【あらすじ】
昭和58年、大都会東京から、何もないド田舎の雛見沢に引っ越してきた前原圭一(まえばらけいいち)。ある日父に連れて行かれたメイドカフェ「エンジェルモート」で、仲間の園崎魅音(そのざきみおん)そっくりの女の子に出会う。彼女は苦し紛れに「自分は魅音の双子の妹の詩音(しおん)だ」と言い張るが……?二人の魅音、詩音を巡って、今年も綿流しのお祭りが始まろうとしている。
【みどころ】
「ひぐらし」作品では漫画や挿絵を担当し、自らも「迷想区閾」や「学園ナイトメア」等の代表作を持つ、方條ゆとり先生がコミカライズした『ひぐらしのなく頃に 綿流し編』。美しい細い線で描かれる「エンジェルモート」の制服姿の詩音には、新たな「萌え」を感じられることだろう。最初の見どころは、その「エンジェルモート」での試食会での卑劣なオタクたちとの攻防戦だ。ユニークで斬新、思わず笑いのこぼれるシチュエーションは、ホラー作品の一部とは思えない明るさにあふれている。
しかしその前にあったゲーム大会でのある出来事が、魅音の中の何かを狂わせてしまっていた。薄々気付いてはいても、圭一に自分で気付いて欲しいとすべてを語らないレナ。そして5年目の恐怖の綿流しの晩がやってくる。
綿流しの夜に祭具殿に忍び込んだことを知っている様子の梨花に、つい本当のことを話してしまったばかりに、梨花は沙都子と共に行方不明になってしまう。様子がおかしい魅音、電話で富竹と鷹野死と村長の失踪を告げてきた詩音。どこかで、何かがずれている。興宮署の大石を始め、多くの人間に「綿流しの晩に詩音に会わなかったか」と聞かれ、パニックになる圭一だったが、今回の名探偵はレナだった。
鬼を継いだ魅音を圭一は救うことができるのか?あの時プレゼントできなかった人形を魅音に渡すことができるのか?そして梨花と沙都子を無事に助けだす事ができるのか?哀しい結末は、ホラー作品ならではの不気味さと共にある。
【作品データ】
・作者:原作・監修/竜騎士07 作画/方條ゆとり
・出版社:スクウェア・エニックス
・刊行状況: 全2巻