YUKIKAZE 1 戦闘妖精

日本屈指のSF作品『戦闘妖精雪風』ハリウッドからオファー

YUKIKAZE 1 戦闘妖精 『戦闘妖精雪風』(以下、『雪風』)は「SFマガジン」(早川書房)誌上に1979年から1983年にかけて掲載された作家・神林長平による連作短編である。神林氏は「SF作家第三世代」を代表する作家と言われ、「火星三部作」や「敵は海賊シリーズ」など多くのヒット作を生み出した人物だ。『雪風』は1985年に第16回星雲賞(※)を受賞した作品で、ラジオドラマ、OVA、コミック化と多方面へのメディアミックスで人気を博した。

2013年4月16日、その日本を代表するSF作品がハリウッドにて実写映画化するとの情報が浮上した。『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などでもお馴染み、アメリカのワーナー・ブラザーズが実写映画化権を取得したようだ。『雪風』のプロデューサーはトム・ラサリー、アーウィン・ストフだというが、後者はキアヌ・リーブスと共に『カウボーイビバップ』の実写映画化権を取得した人物でもある。ただし、『雪風』の主演は、親日家として有名なトム・クルーズが抜擢された。

ハリウッドで映画化となれば、おそらくこの作品はSF映画に分類されるだろう。しかし、筆者の感じるところ、このマンガは「神風」にも似た日本人の心が根底にある。ただのSF映画になってしまわないか、原作ファンとしては気がかりだ。それとも、たとえ別の作品になったとしても、一つの作品として完成された面白い作品であればいいものだろうか。原作者の神林氏に心の内をお伺いしてみたいところである。

何はともあれ、「実写SF映画」でハリウッドに敵う制作場はない。“ハリウッド”が、日本屈指の作家が描く緻密なストーリーとどのように融合し、どこまでリアルに表現してくれるのか。不安も大きいが、期待も大きい。

(※)星雲賞……前年度中に発表、もしくは完結したSF作品を対象にした文学賞。コミック部門、アート部門、など8つの部門で一番に選ばれたそれぞれの作品に贈られる。

【コミックスデータ】
・『雪風 YUKIKAZE I 戦闘妖精』
 作者:多田由美
 出版社:早川書房
 刊行状況:1巻(続刊未定)

【関連URL】
・『戦闘妖精雪風』公式サイト
http://www.faf.jp/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。