コスメの魔法(1) (講談社コミックスキス (256巻))

キレイをあきらめない女性たちのコスメの奇跡『コスメの魔法』

コスメの魔法(1) (講談社コミックスキス (256巻)) 【あらすじ】
コスメブランド「マ・ベール」の美容部員・高樹礼子。デパートのコスメフロアで働く彼女のもとには、自分の「キレイ」を見失った女性たちが訪れる。彼女たちに、礼子は「キレイ」をあきらめることは、「それはもう犯罪なのです!」という決め台詞をつきつけ、様々なコスメで救い出していくのだった…

【みどころ】
「キレイになりたい」
女性なら誰もが心に抱く強い願いですが、この願いを 100%ではないにせよ実現させてくれる魅惑的なアイテムが、コスメ(化粧品)です。
日本でも資生堂、カネボウらをはじめとする化粧品メーカーが、シーズンごとに新作を発表し、デパートのコスメフロアは「キレイ」を求める女性たちでいつもにぎわっています。『コスメの魔法』は、このコスメを題材にした漫画作品です。

この作品の主人公はデパートのコスメフロアで働く美容部員・高樹礼子。礼子のもとには、さまざまな悩みを抱えた女性たちが訪れます。
仕事がうまくいかない、元彼が忘れられない、自分に自信が持てない…このような不安や恐れから、美しくなることにもうまく向き合えない彼女たちに、礼子はコスメとともに助けの手を差しのべ、彼女たちの内にある「キレイ」を引き出していくのです。

女性はキレイになることで、元気を取り戻せるときがあります。けだるい朝、仕事に行きたくないと思っても、お気に入りのグロスをつけたら、心が華やいでいく。つらいことがあってうつむきたい日でも、マスカラで目力をアップすれば、前を向いて歩きたくなる。コスメにはそんな力があるのです。

1つのコスメがきっかけで、見失っていた自分を取り戻す。『コスメの魔法』で描かれている女性たちの姿は、決して夢物語ではないと思います。キレイになりたいという女性の願いはいつの時代も同じ。そして「キレイ」を信じる気持ちがコスメを魔法のアイテムに変えて、その奇跡で女性たちはいっそう美しく光り輝いていくのです。

『コスメの魔法』は、礼子が「それはもう犯罪なのです!」とお約束の言葉をつきつけ、女性たちを救う…という「水戸黄門」的なパターンがありつつも、回を追うごとに、ストーリーの構成が練られて複雑になっていき、読みごたえがなくなることがありません。厚化粧をして素顔を隠すガン黒ギャル、礼子に敵対する美容ライターなど、多彩なゲストキャラが登場。また、礼子のライバル的存在として登場する「ジュリア・ビューティ・コム」のジュリアン奥田や、作品を通して自分の「キレイ」を見つけ出していく礼子の後輩美容部員・水野まゆみらレギュラー名脇役の盛り上げもあり、飽きのこない面白さがあります。

コスメを好きな女性なら、きっと共感できる作品であり、そうではない男性でもきっと楽しめること間違いなしの作品です。

【作品データ】
作者:あいかわももこ
出版社:講談社
刊行状況:『コスメの魔法』全16巻(完結)『新コスメの魔法』全6巻(完結)

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