【あらすじ】
長崎から鎌倉へ引っ越してきた舞春ひろみは、小さい頃以来ずっと乗っていなかった自転車で南鎌倉高校に通うことになった。慣れない自転車に悪戦苦闘するひろみだったが、自転車を通じて素敵な仲間たちとの出会い、そして古都・鎌倉の魅力を発見していく。
【みどころ】
月刊コミックブレイドにて連載中。鎌倉を舞台にした自転車と少女をテーマにした物語。
本作は作者の松本規之氏がCOMITIAでイメージイラスト集として出していたものが元となっており、それがコミック化され連載に至った経緯を持っています。
神奈川県鎌倉市。日本の中でも屈指の人気を誇る観光地でもあるこの場所を舞台にした作品は古今、漫画・アニメ・小説など様々なコンテンツで見かけることができます。
人々を惹きつけてやまない魅力を持つ鎌倉は、訪れた人ならばわかると思いますがすごく絵になる場所です。
この『南鎌倉高校女子自転車部』は、物語の展開にも彩りを添える鎌倉の魅力を、今最も伝えている作品ではないでしょうか。
坂の街・長崎から鎌倉へ引っ越してきた舞春ひろみは、小さい頃に乗ったきりの自転車で南鎌倉高校に通うことになりました。
危なっかしい自転車さばきのひろみは、入学式に向かう途中の坂道で案の定危険な目に合ってしまいます。
思わずこちらまでハラハラしてしまうくらいです。
しかし、偶然出会った同級生のトモエに助けられ、自転車に乗る練習に付き合ってもらってようやく普通に乗れるまでに勘を取り戻すことができます。
このことをきっかけに自転車の魅力に惹かれ、鎌倉の街を駆け抜けていくことになります。
自転車を通じて前述のトモエの他にも、担任の四季先生やお嬢様の神倉冬音、沖縄からやって来た比嘉夏海など個性豊かで素敵な仲間たちと出会い、ついには自転車部に入部するまでに。
鎌倉が舞台でもあり、主題でもあるためか物語と上手くミックスしてどの要素も主張しすぎることがないため良い塩梅になっています。
イラスト集が発端となっているだけあり、カラーはとても美麗。女子高生達ももちろん魅力的ですが、何よりも鎌倉の街の繊細な描写は見ているだけでも飽きません。
自転車×女子高生×鎌倉。思わず鎌倉に行きたくなるような、そんな爽やかな風の感じられる作品です。
【作品データ】
・作者:松本規之
・出版社:マッグガーデン
・刊行状況:3巻(続刊)