任侠の世界から歌舞伎の道に入った天才女形の半生を描く!『国宝』

歌舞伎は日本の伝統芸能で、音楽・舞踊・演技の三要素を使った総合舞台です。その胸を踊らせる物語や、華やかで美しい場面は、見るものを楽しませます。歌舞伎は時代の風を取り入れながら発展する、常に新しい芸能です。

大半が血縁関係からつながり続けている世界に飛び込んだ、ひとりの青年を描いた物語が、作画:三国史明先生、原作:吉田修一先生の『国宝』です。昨年の5月にコミカライズがスタートして、大きな話題を集めました。

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【作品紹介】

物語の舞台は昭和39年、立花組の新年会。任侠の一門に生まれた中学生・立花喜久雄が主人公です。喜久雄は立花組組長の息子ですが、任侠にしておくにはもったいないほどの美貌を持っています。

その新年会にたまたま出席していたのが、大阪の上方歌舞伎役者・花井半次郎でした。

半次郎は、その新年会で演じられた「墨染」を見ていましたが、そこで女形を演じていた喜久雄に目を奪われてしまいます。

半次郎にスカウトされて歌舞伎の世界に飛び込んだ、立花喜久雄の青春物語です。

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【作品の見どころ】

本作の見どころは、任侠の世界から歌舞伎に飛び込んだ立花喜久雄の成長にあります。

歌舞伎の世界と任侠の世界はまったく異なり、これまで父親を通してさまざまな世界を見てきたはずの喜久雄も、深淵なる歌舞伎の世界に戸惑いを覚えます。

その中で出会った半次郎の息子・俊介や同じ女形の万菊。親子の深い絆と軋轢。信頼と裏切り。歓喜と絶望が描かれている本作。

文庫版も合わせて読むと、より楽しめるのでおすすめです。

【作品データ】
・作者:三国史明
・原作:吉田修一(青春篇・花道篇)
・出版社:小学館(ビッグコミックスピリッツ)
公式ページで、試し読みできます
・刊行状況:既刊1巻