雑誌・書籍を問わず、さまざまな人の手が加わることで一冊の本が世に出ます。本づくりには、文章を書く作家の存在はもちろんのことながら、編集者がいなければ成り立たないと言っても過言ではないでしょう。
特に熱い思いを持った編集者の存在は、作家が原稿を書くうえでも欠かせない存在です。そんな「紡ぐ人(作家)」と「編む人(編集者)」の物語として、北駒生先生の『書くなる我ら』を紹介します。
【作品紹介】
文芸誌「群青」の編集部を舞台に展開する本作の主人公は、女性編集者の天城勇芽。「小説界hに熱い風を吹かせたい」と意気込んでいる熱い編集者です。
彼女は理想のラインナップで新文芸誌を作るため、女優・ミュージシャン・前科者・酪農家などに声をかけます。
果たして、理想の文芸誌を作ることができるのか。
熱い思いを持った編集者と、作家候補者が紡ぐお仕事群像劇です。
【見どころ】
本作の見どころは、さまざまな過去を持った人たちとひたすら向き合い、関係を築きながら一緒に歩んでいく勇芽の姿にあります。
そこに華やかな姿はなく、ただただ泥臭い。しかし、その中にダイヤの原石が眠っている可能性があります。
原石を見つけるために歩みを止めないことの大切さを、思い出させてくれる作品です。
筆者自身は、本作を読んで思わず胸が疼き、作品を作ってみたくなりました。
創作活動をしている方も、そうでない方も一度は読んでみてください。
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十代の頃、群像に載っていた新人賞作品の一節に静かに鼓舞されていました。他者への応援歌でもなんでもない、粗野にして清廉な独白でした下の人物には当初、舞城王太郎氏の竜巻のようなイメージがありました。掴めもせずに霧散しましたが… https://t.co/RyBGMbR4VK pic.twitter.com/X3hOzHMo1I
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【作品データ】
・作画:北駒生
・出版社:講談社(モーニング・ツー)
※コミックDAYSで試し読みできます
・刊行状況:既刊1巻(以下、続刊)