人間誰しも、人の目が気になってしまうもの。社会で生きていく以上、不潔な見た目のままでいるわけにもいかないので、ある程度は人の目も必要です。しかし、過度に気にするようになると、生きづらさを抱えることになってしまいます。
私たちの多くは、カッコ悪い自分がいることを自覚したうえで、毎日を生きているわけです。今回は、そんな大人の女性がモラトリアムを脱するために奮闘する姿を描いた、シバタヒカリ先生の『カラフルアンチノミー』を紹介します。
人の目ばかり気になる私がマチアプで意外な出会いを果たしたら (0/15)#漫画が読めるハッシュタグ pic.twitter.com/doSC2ah2Ll
— シバタヒカリ (@sunny_615) October 8, 2024
https://platform.twitter.com/widgets.js
【作品紹介】
主人公は、老舗文具メーカーの企画部で働く月岡文。
理想とする女性像は、精神的に自立した女性です。しかし、その一方で無条件で全肯定して、たくさん甘やかされたい願望がありました。
そんな矛盾した感情を持て余していたある日、総務部で働く後輩からマッチングアプリを進められます。
「1回だけなら」と思って写真をスワイプしていると、男性と思しき写真を目にした文。どストライクのタイプだったこともあり、メッセージを送るとトントン拍子で実際に会うことに。
しかし、当日待ち合わせ場所に現れたのは、プロフィール通りの姿をした女性・須良さんでした。
意外な形でスタートした出会いにより、文の新たな世界が回りだします。
大人の脱モラトリアム物語がスタート。
【見どころ】
本作の見どころは、自分らしく自分軸で生きようと奮闘する文の姿にあります。
企画部というと会社の花形ということもあり、仕事ができてQOLもきっちりしていると思われがちです。
しかし、当の本人は周囲に合わせているだけで、自分の意志がない矛盾に悩んでいたりするもの。
そのことを初めて出会った須良さんに、涙を流しながら打ち明けます。
誰にでも、言葉にできないもどかしさや表現しづらい感情があるでしょう。それが、相手からかけられる優しい言葉や気持ちで浮き上がり、悲しかったりしんどかったりした心が軽くなっていくのです。
心が軽くなってくると、何気ない日常もその人自身が持つ色で彩られていきます。
仕事もプライベートも順調……
だけど、どこか物足りないと感じているアラサー・アラフォー世代が読むと、きっと元気を取り戻すヒントが隠れているでしょう。
【作品データ】
作画:シバタヒカリ
出版社:フィール・ヤング(祥伝社)
※公式ページにて試し読みできます
刊行状況:既刊1巻