情報を得るための手段は、テレビや新聞、雑誌のほかインターネットがあります。総務省の調査では、情報源・娯楽としての重要度および各メディアの信頼度においてテレビをあげる人が全年代で多いという結果です。
近年ではインターネット(SNS)に押され気味なイメージもある中、今でもテレビは一定の影響力を持っています。そのテレビ局で働く人をテーマにした作品が、佐々木倫子先生の『チャンネルはそのまま!【HHTV北海道★テレビ】』です。
【あらすじの紹介】
舞台は、北海道のローカルテレビ局・北海道★テレビ(HHTV)。報道部記者として働く雪丸花子が、本作の主人公を務めます。
物語のはじまりは、採用者を決定する会議のひとコマから。予定では、主人公は不採用でした。しかし、一般職で女性を採用していなかったこと、バカ枠の存在があったことからそこでの採用を提案・了承されたことで採用が決まりました。
そんな彼女は行く先々で騒動を起こし、周辺の人々はそれに巻き込まれます。
本作は、主人公・雪丸花子が起こすハプニングを中心に、テレビ局の日々の奮闘を描いたお仕事コメディマンガです。
【見どころ】
本作の見どころは、主人公のドジっぷりとそれに巻き込まれる周囲のやり取りにあります。
入社試験を突破した雪丸。研修後に配属されたのは報道部でした。
報道部は緊急呼び出しが多い部署で、配属初日にもかかわらず道警キャップの長田により、大雨報道へと駆り出されます。
しかし、現場では何が起こるかわかりません。負傷した長田の代わりに、新人の雪丸が中継を担当することに。緊張のあまり、何も言えない彼女でしたが流されてくる猿を発見し、助けようとして猿と格闘してしまいます。
このように、彼女の周辺にはハプニングがつきもの。周囲の人は、肝を冷やす毎日です。
そんな雪丸と周囲にいる人たち、特に同期入社で同じ報道部に配属された真面目で優秀な山根くんは、ドジな雪丸と周囲との緩衝材(プチプチ)的な役割を任せられています。
時には雪丸に迷惑をかけられ、時には予期せぬ形で救われる。憎めない関係性の物語こそ、本作の魅力といえるでしょう。
【2019年にはドラマ化】
舞台になっている北海道★テレビ(HHTV)のモデルは、「水曜どうでしょう」でおなじみの北海道テレビ放送(HTB)です。
2019年に本作を原作としたHTB開局50周年ドラマが、芳根京子さん主演で放映されました(※)。
開局記念番組だったため、全国放送はされなかったものの、2019年日本民間放送連盟賞の番組部門テレビドラマ番組最優秀賞を受賞した他、2019年日本民間放送連盟賞のテレビ部門全体でグランプリを受賞。大きな反響があった作品です。
※現在は、Netflixで視聴できます。
【作品データ】
・作者:佐々木倫子
・出版社:小学館
※公式ページで試し読みできます
・刊行状況:全6巻