元高齢者・80歳の復讐劇!『エイジング-80歳以上の若者が暮らす島-』

2024年現在、日本の高齢者人口(65歳以上)は3,635万人。総人口に占める割合は29.3%です。さらに、100歳以上の高齢者は約95,000人。東京ドームの収容人数が55,000人(平常時)なので、東京ドーム2個分に相当する人数がいることになります。

超高齢化社会と言われて久しい、我が国日本。「肉体が若返ったら」と思う人も、高齢者の方の中にはいらっしゃるかもしれません。もし、現在の記憶はそのままに20歳の頃の肉体に戻れたらどうなるのでしょうか。そんな妄想を描いた作品が、友野ヒロ先生の『エイジング-80歳以上の若者が暮らす島-』です。

【あらすじ】

舞台は現代日本。主人公は80歳の老人・八武崎瀧郎です。50年前は、妻子にも恵まれごく普通の生活を送っていました。

しかし、尖り耳の男に妻子が刺された現場を目撃してしまったことで、彼の運命は一変します。すぐに病院へ運んだものの、ふたりはすでに死亡。警察は瀧郎を犯人と決めつけ、何度も再審請求をしたにもかかわらず、幾度となく却下され続けました。

50年後に予約釈放されるものの、そのときにはすでに80歳。残りの人生を考えるような年齢でした。

そんな彼の目の前に飛び込んできたのが、80歳以上の高齢者を治験者として集めた「ある島」の映像。日本政府は、20歳の頃の肉体に戻ることのできる「若返り薬」の開発に成功していました。

若返りの手術と投薬に成功した元高齢者は、ある島で職業訓練を受け、再雇用するための試験運用が開始されていたのです。

そこに映っていたのは、かつて自分の妻子を殺害した「尖り耳の男」でした。復讐心が燃え上がった瀧郎は、エイジングプロジェクトに応募。

真犯人への復讐を決意した男の物語です。

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【見どころ】

人間は誰でも年齢を重ねると、身体機能は嫌でも衰えます。それでも、人に恋する気持ちだったり、性格的な部分は変わりません。

当然、生まれ変わろうと思ったら、それまでの経験を捨てなければならないわけですが、そう簡単に変われないもの。

そんな中、肉体的に若返った元高齢者が解放されると、どうなっていくのかがふんだんに描かれている点が見どころです。

エロティックなシーンやバイオレンスシーンが時々見られるため、そういった描写が苦手な方でなければ、楽しめる作品ではないでしょうか。

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【作品データ】
・作者:友野ヒロ
・出版社:双葉社(アクションコミックス)
Webアクションで読めます
・刊行状況:既刊11巻