姉が好きな妹、妹がすきな親友~三角関係の物語『姉の親友、私の恋人』

同性(男性と男性、もしくは女性と女性)を好きになった経験のある方もいらっしゃるでしょう。ただ、それは「恋」という意味ではなく、友人としてもしくは憧れという意味での「好き」だった可能性もあります。

最初は甲斐甲斐しくお世話を焼いていたのが、だんだん心惹かれていって好きになるというパターンもありそうです。そんな恋愛を描いた作品として、藤松盟先生の『姉の親友、私の恋人』を紹介します。

【あらすじ】

本作の主人公は、小説家の咲河聖奈。聖奈は幼少期からずっと姉の優奈に対して、恋愛感情に近い愛情を抱いていました。

それに気づいたのは、優奈が高校生の頃に恋人ができたこと。それによって「喪失感」を味わい、聖奈自身の心にある気持ちに気づきます。

最終的に姉と当時の彼女は別れたものの、自身が持つ執着や鬱屈した気持ちは打ち明けられないままでした。そんな時、優奈は仕事で海外に出ることに。姉がいなくなり、再び喪失感を味わったことで、聖奈は小説を書けないほど落ち込んでしまいます。

そんな聖奈の生活について世話を焼いているのが、今は姉の親友になっている馬宮菊。菊は、姉の優奈から聖奈の面倒を見てあげてほしいと頼まれたからだけでなく、聖奈に恋しているからこそ世話を焼いているのです。

そんな3人の三角関係を中心に展開する、精神年齢高めの大人百合です。

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【見どころ】

本作の見どころは、やはり菊と聖奈の恋愛感情の移ろいにあります。

菊は姉の優奈に対する思いをわかった上で、聖奈のことが好き。聖奈は菊と付き合うようになったものの、姉に対する思いに対する心の整理がつきません。

同性に告白するのは、異性に告白することに比べ、やはり一枚高い壁があるもの。

さらに、聖奈には姉に対する思いがあるので、より壁が高くなっています。

そこの葛藤がうまく画に表現されていて、好感が持てる作品です。

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【作品データ】
・作画:藤松盟
・出版社:角川書店(電撃コミックスNEXT)
カドコミで試し読みできます
・刊行状況:全4巻