早死にしないでね！『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』

白泉社「ヤングアニマルZERO」にて連載中の『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』（まるよのかもめ）が注目を集めています。

主人公は会社で事務職として勤務する望月美琴（もちづき みこと）、21歳。身長153.4センチ、体重59.8キロと少々太目。ただし、昨年の健康診断では身長153.3センチ、体重53.7キロなので、この1年間で6.1キロ太った、と。その原因がタイトルにもある“ドカ食い”です。主人公が、ストレス解消と合わせて日々の三食で目一杯食べることを常としているため、必然的に太ったのでしょう。

ちなみに言葉として“ドカ食い”と“大食い”にそれほどの違いは無いようです。あえて使われ方から区別すると、毎日たくさん食べる人や状態を“大食い”と表現し、一食でたくさん食べることを“ドカ食い”と表現する面があるようです。

なお、水島新司先生の名作漫画『ドカベン』では、ドカッと大きな弁当箱で食べることから“ドカベン”のあだ名がついていますが、語源としては土木作業等、つまり土方（どかた）の人が食べる大きな弁当のことを“どか弁”と略したとありました。

さて、たくさん食べた時に注意したいのが急激な血糖値の上昇、血糖値スパイクです。人によっては頭痛、眠気、疲労感などを覚え、より悪化すると気絶する場合もあります。作中でドカ食いした後にボーッとしてしまう主人公は「至（いた）る」と表現して、ある種の満足感を得ているように見えるのですが、一方で人前で至らないように注意しています。

…が、早々と一話ラストで同僚に見られちゃってるんですよね。血糖値スパイクを繰り返すと、糖尿病や心筋梗塞、脳卒中になる可能性も大なので、この辺りで踏みとどまっておくべきなのですが、どうにも難しそうです。

と言うのは、先述の通り太ってしまった主人公が食事制限を試みるのですが、ラーメン大盛り野菜マシマシを「野菜多めで脂抜き」のように言い張ったり、カロリーハーフのマヨネーズをかけることで「かければかけるほどカロリーが減ってく」と表現したことでも分るはず。翌日、目が開かないくらいに体全体がむくんでしまうのですが、それも当然。このまま早死に一直線となるのでしょうか。

5月9日発売「ヤングアニマルZERO」増刊号にて連載開始の本作。まだ5作しか掲載されていませんが、早くも「次にくるマンガ大賞2024」Web漫画部門にノミネートされました。そこからも注目の度合いが想像できると思います。結果は8月28日発表ですので、この記事がアップされる頃には結果が発表されているかもしれませんが、果たしてどうなっているでしょうね。

8月30日追記

『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』が「次にくるマンガ大賞2024」の「冷凍食品はニチレイ賞」を受賞（Web漫画部門では8位）しました。おめでとうございます。

【作品データ】
作者：まるよのかもめ
連載：白泉社「ヤングアニマルZERO」「ヤングアニマルWeb」連載中
刊行状況：1巻10月29日発売予定