「コミック乱」6月号表紙でそろい踏み、松本幸四郎、市川染五郎らの出演で『鬼平犯科帳』が新たに実写化

池波正太郎先生の名作『鬼平犯科帳』シリーズの新たな実写作品となる劇場版『鬼平犯科帳 血闘』が5月10日に公開されます。

『鬼平犯科帳』の主人公は、江戸時代に火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官を務めた長谷川平蔵。火盗改方の部下だけでなく、元盗賊や旧知の友人知人らの協力を得ながら悪党を捕まえていきます。ただし、必ずしも捕えた悪人を獄門送りにするのではなく、罪一等を減じて改心を促したり、さらには目こぼしして逃がしたりしてしまうのも本作の特徴。そうして足を洗った盗賊が、後々平蔵の手助けをする展開も少なからずあります。

そんな『鬼平犯科帳』のメディア展開の1つとして、小説を原案とした同名漫画が1993年からリイド社「コミック乱」(作画:さいとう・たかを、さいとうプロダクション)にて連載中です。

2021年にさいとう先生が亡くなられたことで本作の連載はどうなるかと思われたものの、さいとうプロダクションのスタッフらの尽力によって連載が継続されています。単行本は文芸春秋版が121巻まで、リイド社ワイド版が61巻まで発売中。さいとう先生の作品では、2024年4月現在212巻が発売中の『ゴルゴ13』には及びませんが、人気は上々ですし今後も巻数を伸ばしてくれると思います。

2023年が池波正太郎先生の生誕100周年にあたったことから、いろいろな催事や実施されました。例えば、東京都台東区浅草生まれの池波先生に台東区の名誉区民の称号が贈られました。さらに、その一環として企画されたのが、新たな『鬼平犯科帳』の実写化です。

劇場版『鬼平犯科帳 血闘』は5月10日からイオンシネマなどで公開。詳しくは公式サイト(https://onihei-hankacho.com/movie/)をどうぞ。

火付盗賊改方長官となった平蔵を初本幸四郎さん、無頼な毎日を送る「本所の銕(てつ)」と呼ばれた若き平蔵を市川染五郎さんが演じます。その他のキャストとして、平蔵の妻の久栄が仙道敦子さん、相模の彦十が火野正平さん、密偵のおまさが中村ゆりさん、平蔵の上司となる若年寄が中井貴一さん、盗賊の鷺原の九平が榎本明さん、与力の佐嶋が本宮泰風さん、同心の忠吾が浅利陽介さんらとなっています。劇場版公開に合わせてフジテレビなどで「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」が放送されますので、ぜひご覧ください。

さらに時代劇チャンネルにて「鬼平犯科帳 SEASON1」が6月8日から放送開始。劇場版と同じキャスティングに加えて、蓑火の喜之助が橋爪功さん、血頭の丹兵衛が古田新太さん、小房の粂八が和田聰宏さんらとなっています。こちらも詳しくは公式サイト(https://www.jidaigeki.com/onihei/)をご覧ください。

1993年から連載が開始のため、奇しくも池波先生の生誕100年に漫画連載も30年を迎えました。その「コミック乱」6月号の表紙では、ご覧の通りにさいとう版の劇画平蔵と松本幸四郎さんの平蔵がそろい踏み。さらにフルカラーで劇場版の特集を掲載しています。連載の『鬼平犯科帳』は「仕置きノ三百六十三 蘇る怪盗」を掲載。手間暇かけて押し入っておきながらも千両箱を残して去っていく、奇妙な盗賊一味を描いています。一味の目的は何なのか。そんなことをするに至る理由は何なのか。気になる方はぜひ本誌をどうぞ。

【作品データ】
作画者:さいとう・たかを、さいとうプロダクション
原案:池波正太郎
脚色:久保田千太郎、植田真太郎など
連載:リイド社「コミック乱」連載中
刊行状況:文芸春秋版1~121巻発売中、リイド社ワイド版1~61巻発売中