日本語教師と外国人学習者のやり取りが面白い!『日本人の知らない日本語』

アメリカ合衆国・国務省のサイトによると、アメリカの外交官が言語習得までにかかった時間ごとに難易度を分類したところ、日本語は難易度レベルが4(88週間・2,200時間)で、もっとも習得が難しい言語です。

来日すると、就業前もしくは大学入学前に、その多くが日本語学校で学びます。彼らの日本語レベルは、アニメや映画を見て覚えたという人から、大学の日本語学科で学んだ人までさまざま。『日本人の知らない日本語』では、日本語教師の海野凪子先生が見た日本語学習者の実際を、蛇蔵先生がコミックエッセイとして描き下ろしました。

本作には、さまざまな外国人学習者が登場します。その国籍は、イギリス・フランス・イタリア・アメリカなど欧米諸国から、中国・韓国・ベトナム・アラブ(UAE)といったアジア諸国と多種多彩。

初めて触れる日本語に興味津々な彼らは、なぎこ先生に素朴かつマニアックな質問を投げかけ、時には困惑しながら、時には悪戦苦闘しながら、質問に答えていくさまが本作の魅力といえるでしょう。

実際、彼らが投げかける質問は、日本語を母語として話す私たち日本人も知らなかったものが多く、読んでいてもちろん笑える箇所も多くあります。しかし、読み進めていくうちに「負けてられない」という気持ちになっていく作品です。

その他、蛇蔵先生が身近にある日本語についてマンガで解説するコーナーや、テストの採点、ゲームコントローラーの違いなど文化的な相違点についても、しっかりと描かれています。

今一度、日本を見つめ直したい人におすすめしたいコミックエッセイです。

【作品データ】
作画:蛇蔵&海野凪子
出版社:KADOKAWA
刊行状況:既刊4巻