いつも利用しているショップの店員さんが、なぜか気になってしまう経験をした人は多いでしょう。「何が好きなのかな?」とか「どういう性格の人なんだろう?」と妄想するだけで、ドキドキする瞬間を楽しめますね。
いつも立ち寄るお店から始まったふたりの「愛情」を描いた物語で、SNSから注目された物語が、新井すみこ先生の『気になってる人が男じゃなかった』です。宝島社の「このマンガがすごい!2024 オンナ編」で第2位を受賞するなど、大きな注目を集めた本作は、作者のX(旧Twitter)で連載。フォロワーは100万人を超える人気アカウントです。
主人公は、女子高生・大沢あや。いわゆる陽キャで、クラス内では華やかな雰囲気のある女子です。大の洋楽ロック好きですが、話の合う人はいません。そんな彼女は、いつも立ち寄るCDショップにいるミステリアスな雰囲気を持つ「おにーさん」に一目惚れ。
その一目惚れした「おにーさん」は、なんと身近にいました。その正体は、同じクラスにいる女子・古賀みつき。叔父さんが経営しているCDショップでバイトしている彼女は、同じく大の洋楽ロック好き。しかし、クラス内ではほとんど目立たない生徒です。
誤解から知り合った彼女たちが、好きな音楽をキーワードとして、ひたむきかつ真摯に愛情を育んでいく過程を描いています。
新井すみ子先生の『気になってる人が男じゃなかった2』も本屋さんでゲットしてきた〜!
ダ・ヴィンチで新井先生のインタビューを読んでからずっとファンなんだ。
私も学生時代も今も同世代と違う音楽聴いているからすごく刺さる描写がたくさんあって大好きな漫画のひとつ! pic.twitter.com/FrPHj45lPv— 粉鱗 (@0lll0lli) March 20, 2024
思わずグッときてしまうのは、あやが見せるみつきへの思いです。
最初は誤解から始まった、みつきへの思い。
「それが友情からくるものか、それとも異なる感情からくるものなのか」について、あやは測りかねます。その一方で、みつきも適正な距離感に悩みます。
少しずつ距離は縮みつつあるものの、お互いにとってお互いがどういう存在なのかについて、お互いに思い悩む毎日。
あや、みつきとも、お互いがお互いのことを思い頑張っている姿が、尊く感じます。
新井すみこ(@agu_knzm )先生
『気になってる人が男じゃなかった』読了。みつきちゃん不意打ちイケメンは心奪われる❤️🔥
そして相手を思い頑張るあやちゃん可愛いかったな♡
「カメレオン」「大好きだ」はシビレました!
あと、「私のロック」では号泣 🥹
…最高。
これからもずっと大好きです💚 pic.twitter.com/LjTlJgXDij— ɴᴇʀᴏʟɪ ꒰ ネロリ ꒱ (@im_NEROLI) March 14, 2024
通常のマンガ作品であれば、心理をじっくりと読ませるところ、SNSの特性を活かしてエピソードを細かく散りばめながら読ませる点も斬新で面白いですね。
新井すみこ『気になってる人が男じゃなかった』2巻
高校生百合漫画
伝統的な漫画の延長線上にないニューウェーブな作品。SNS投稿に合わせた4ページ毎に"結"が用意され、ポップな密度でサクサクと話が転がる。じっくり心理を読ませるというより、エピソードを細かく積み重ねる見せ方巧い。絵もバカウマ! pic.twitter.com/XMdo5xcUS7— ☆★モチコ★☆ (@mochicco69) March 12, 2024
今後も楽しみに読み進めていきます。
【作品データ】
作者:新井すみこ
出版社:KADOKAWA
※作者X(旧Twitter)にて連載
刊行状況:既刊2巻