【読み比べ】『あなたがしてくれなくても』と『私がひとりで生きてくなんて』

2023年4月からフジテレビ系列で全11回+特別編が放送された、ハレノ晴先生の『あなたがしてくれなくても』。本作は、セックスレスというなかなか口にしにくい夫婦問題をテーマにしていることもあり、放送中は大きな反響を呼びました。

彼女が夫婦問題について描いている作品として、COMIC DAYSで連載されている『私がひとりで生きてくなんて』があります。こちらは離婚された専業主婦が自分を取り戻すために仕事をしてリベンジする物語です。この記事では、この2作品の読み比べをしていきます。

【扱っているテーマ】

ドラマ化されて大きな反響のあった『あなたがしてくれなくても』では、セックスレスをテーマにしています。

メインとなる登場人物は2組の夫婦。

  • 吉野陽一
  • 吉野みち
  • 新名誠
  • 新名楓

みちと誠は会社の先輩・後輩の間柄。陽一に性交の約束を反故にされて落ち込んでいた時、誠にそれを打ち明けたことから、誠もセックスレスに悩んでいることを知り、お互いにそのことについて話し合う間柄になっていきます。

陽一も楓もお互いのパートナーの変化に気づき、なんとかして距離を縮めようと努力するものの、すれ違いが起こってしまいます。

そこに至るまでのお互いの心境の変化、心の動きを描いた作品です。

『私がひとりで生きてくなんて』は、2023年2月より講談社のWebマンガサイト「COMIC DAYS」で連載されています。

主人公は専業主婦の愛菜。彼女は、東京の短大卒業後に元夫からプロポーズされて結婚して、彼の実家がある福岡県に引っ越すところからストーリーがはじまります。

専業主婦である自分を「勝ち組」だと思っていましたが、待っていたのは夫からの離婚宣告。「ニートを養っていることに耐えられない」と言われてしまったのです。

彼女は就職活動で連戦連敗だったことから、社会にまったく出ることなく結婚しました。そのため、本来ならば弁護士事務所に行くべきところを税理事務所に駆け込んでしまうなど、ちょっと世間知らずなところがあります。

そんな彼女が、自身の尊厳と学生時代に失敗して逃げていた側面のあった仕事に向き合うことで、税理士の岸本および事務員の力を借りながら離婚を切り出した夫へリベンジする過程を描いた作品です。

【『あなたがしてくれなくても』はどんな人におすすめ?】

ドラマでも大反響だった『あなたがしてくれなくても』は、やはり悩んでいる当事者におすすめしたい作品です。

ちょっと圧が強めに感じてしまうかもしれませんが、離婚の理由としても男女とも上位10位以内に入るとも言われている理由ですし、口に出さないだけでもっと多くの夫婦がこの悩みを持っている可能性だってあります。

こういう悩みを相談できる人が周囲にいないとしても、感情移入できる作品があるだけでもプレッシャーは違ってくるでしょう。

それぞれの視点で、それぞれの心理が丁寧に描かれている作品なので、実際に悩んでいる当事者はぜひ読まれることをおすすめします。

【『私がひとりで生きてくなんて』はどんな人に人におすすめ?】

タイトルだけ見れば、結構「グサリッ」と来そうな作品ですね。

それはさておき、本作については当事者が読むよりはこれから結婚する予定の人が読むといいのかなと思います。

実際の結婚生活というのは、想定外のことが次々と起こるので、起こりうることを事前に知ることで予行演習になるでしょう。

女性にとっては、「こうならないように気をつけよう」と思えるので、じっくりと読み進めてみるといいですね。

【あなたがしてくれなくても・作品データ】
作画:ハレノ晴
出版社:双葉社
Webアクションにて閲覧可能
刊行状況:既刊11巻

【私がひとりで生きてくなんて・作品データ】
作画:ハレノ晴
出版社:講談社
コミックDAYSにて閲覧可能
刊行状況:既刊1巻