もし愛する夫(妻)から離婚を切り出されたら、どうしますか? 働いていて収入があるならばともかく、専業主婦(主夫)ならば「明日からどうやって生きていこうか?」となるでしょう。実際、働いていない期間が長ければ長いほど、その不安も大きくなって慌てると思います。
そんな、突然離婚を切り出された専業主婦の女性が、元夫を見返すべく自分の人生を取り戻していく過程を描いたマンガが、今回ご紹介するハレノ晴先生の『私がひとりで生きてくなんて』です。
主人公は、専業主婦の愛菜(あいな)。彼女は、東京の短大卒業後に元夫の高田宏之からプロポーズされて結婚。結婚後は福岡で暮らします。
物語はふたりの結婚式後、短大時代の友人と福岡で会うところからスタート。
彼女は就職活動も連敗続きだったことから、社会に出ることがなく結婚した結婚6年目の専業主婦です。輝いている友人を羨ましく思いながら、手を抜くことを覚えてどこかぬるま湯に浸かるような生活になってしまっていました。
そんなある日、夫から「ニートを養っているような結婚に耐えられないから、離婚してほしい」と切り出されます。
その後、離婚の相談に行くために弁護士事務所へ行くつもりが、到着したのはなぜか税理士事務所。本当に世間知らずなわけですが、愛菜にとってはここから夫・宏之に対するリベンジが始まります。
本作の特徴としては、作品のテーマに似合わない繊細なタッチの絵柄です。本作は不倫とそれにともなう離婚がテーマになっています。それから考えると、ちょっとドロドロするような雰囲気を連想する人も多いでしょう。
しかし、作風は優しさが感じられる筆致で、重たさをまったく感じません。
先が気になって先読み。あ~、そっちか~…。
子無し専業主婦を20年以上養っている身としては、この主人公はめっちゃ頑張ってる。見習って欲しい。
私がひとりで生きてくなんて – ハルノ晴 / 第3話 荒波の世間② | コミックDAYS https://t.co/YZQ6RCurr4— たろぉ (@tarokun0629) February 1, 2023
ムダなセリフが少なく、絵でその心理描写を巧みに表現するのは、ハルノ作品全体の特徴です。そのため登場人物の気持ちを推し量りつつ読み進めなければならず、読むためのエネルギーも必要になります。
しかし、特に若い世代の女性にとって、結婚前の予行演習として読む価値は十分にある作品といえるでしょう。
これは若い女性に予習として読んでおいて欲しいわ/「私がひとりで生きてくなんて | 第1話 離婚宣告」を読んでます! #コミックDAYS @comicdays_teamhttps://t.co/6w6gYtUBAX
— Le Cénacle (@Bohemian22) March 1, 2023
離婚したことで吹っ切れて、少しずつ自分の人生を取り戻していく愛菜。口が悪いながらも、彼女に自立へのアドバイスをする岸本。いつまでも妻に執着をしようとする夫の宏之。
それぞれがどのようになっていくのか、今後が楽しみな作品です。
「私がひとりで生きてくなんて | 第11話 孤独な誕生日(後編)」を読んでます! #コミックDAYS @comicdays_teamhttps://t.co/7lcFBNlfT9
強い
— トルド@感想垢 (@toldo130) June 21, 2023
【作品データ】
作画:ハレノ晴
出版社:講談社
※コミックDAYSにて閲覧可能
刊行状況:既刊1巻