ゴルゴを継ぐ少女?『Gの遺伝子 少女ファネット』

名作『ゴルゴ13』(原作:さいとう・たかを、さいとう・プロ作品)のスピンオフ『Gの遺伝子 少女ファネット』が好評連載中です。

『ゴルゴ13』については、過去記事「【ご当地漫画紹介・番外編】『ゴルゴ13』に登場する日本のアチコチ(http://comic-candy.com/archives/20563)」「さいとう・たかを先生のお別れの会に行ってきました in日比谷・帝国ホテル(http://comic-candy.com/archives/21840)」でも触れていますので、そちらもどうぞ。

小学館「ビッグコミック」にて好評連載中の『ゴルゴ13』。かつては「ビッグコミック増刊号」でも並行して連載されていたのですが、さいとう先生の体調悪化が一因なのか、2011年からは旧作の再掲載となっていました。しかし、2021年から満を持して始まったのが、スピンオフシリーズ『銃器職人・デイブ』です。シリーズに何度も登場した天才銃職人のデイブ・マッカートニーを知らないゴルゴファンはいないでしょう。

スピンオフ中にはゴルゴらしき人物も登場するのですが、シルエットだったり、ターゲットを狙う様子だったりと、明確にゴルゴとは描かれていません。あくまでもデイブが主人公のスピンオフ作品における、影の主人公との立ち位置なのでしょう。デイブを主人公とした作品は5作が発表され、単行本も全1巻として発売されました。1巻のみで終わってしまったのは「あれ?」と思いました。切り口はまだまだありそうですが、ゴルゴと比較して活躍させにくいのかもしれませんね。

そして2022年から、フランス人の女子中学生であるファネット・ゴベールを主人公とした新たなスピンオフシリーズ『Gの遺伝子 少女ファネット』が始まりました。ゴルゴを思わせる鋭い目つき、エアライフル、体操、柔道、油絵、バイオリンなど多様な才能と運動神経、そして危機にあっても冷静沈着な判断能力を併せ持った彼女は、いろんな危機を乗り越えていきます。

そこで気になるのは彼女の出自です。ファネットが本シリーズで最初に登場した「Gの遺伝子」にてゴルゴと出会ったファネットは、「私のお父様なのね?」と尋ねていますが、ゴルゴは否定しています。とは言え、ゴルゴの立場では「ああ、そうだ」なんて答えられませんよね。その後も「ゴルゴダの少女」「超絶技巧ツィガーヌ」に登場したファネットは、何かとゴルゴに関わっています。

もちろん、スピンオフ『Gの遺伝子 少女ファネット』にもゴルゴらしき人物が登場。相変わらず見事な腕前を披露しているのですが、シルエットだったり、気配だったりするのは、デイブの時と同じです。そんなゴルゴらしき人物の狙撃が、結果的にファネットを助けるような形になったこともあるのですが、ファネット自身が気づかないまま終わっていくストーリーもあります。

5月30日には『Gの遺伝子 少女ファネット』の第1集が発売予定。それに先行して5月25日発売の「ビッグコミック」には架け替えカバーの付録があります。ライフルを構えたポーズがゴルゴとファネットでそっくりなんですよね。これも遺伝子なのでしょうか。「ビッグコミック増刊号」でのスピンオフ連載も続くようですので、彼女の活躍もまだまだ楽しめます。どうせならファネットとデイブが出会うところを見てみたいので、ファネットがアメリカに行く展開が欲しいなと。例えば、アメリカで開催されるライフル大会にファネットが招待されて、見物に来たデイブからライフル調整のコツを教わる…なんてストーリーがあれば面白そうです。

【作品データ】
作品名:ゴルゴ13スピンオフシリーズ1 銃器職人・デイブ
作者:さいとう・たかをプロ
連載:小学館「ビッグコミック増刊号」連載中
刊行状況:全1巻

【作品データ】
作品名:ゴルゴ13スピンオフシリーズ2 Gの遺伝子 少女ファネット
作者:さいとう・たかをプロ
連載:小学館「ビッグコミック増刊号」連載中
刊行状況:5月30日、第1集発売予定