【ご当地漫画紹介第7回・奈良県】『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』『まほろば小町ハルヒノさん』

気まぐれ連載、第7回の舞台は奈良県です。国内でも屈指の観光地の1つでもある奈良県。そこを舞台とした漫画の中から、『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』(元町 夏央)と『まほろば小町ハルヒノさん』(ユウキ レイ)を紹介します。

『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』の掲載誌は、ぶんか社の「ごはん日和」、さらにタイトルから、ご当地系のグルメ漫画と簡単に想像できるでしょう。舞台は奈良県の真ん中あたりにある東吉野村。すぐ東側は三重県に接している、まさに山奥と言っても良い場所です。そこに住んでいる中学生の辻村海青子(つじむら みあこ)が主人公。ある日、彼女が東京から来た坂本祐(さかもと ゆう)に出会ったことから、日常的なご飯を絡めて展開していきます。

海青子は両親を亡くしていたり、祐は東京で勤めていた会社を辞め、恋人とも別れてきたりと、どちらも複雑な事情があるのですが、とりあえずはおいしそうなご当地飯を目で楽しみましょう。第1話こそ“宇陀牛(うだうし)”のすき焼きが登場しますけれども、その後はクリームパスタ、夏野菜のカレー、朴の葉寿司、きなこ雑炊など、日常的なメニューが続きます。作中に登場するのは地産地消の野菜や肉、魚をたっぷり使ったものばかりですが、スーパーでも買える素材がほとんどなので自宅でも再現可能です。

14歳の海青子と20代半ば~後半の祐との関係が気になるところ。ただし、基本的にほのぼの展開であるところと、ひと回り程度の年齢差があるので、くっつくことは無いかなと思うのですが、うーん、どうなんでしょうね。

続いて、芳文社「まんがタイム」で連載中の『まほろば小町ハルヒノさん』(ユウキ レイ)です。こちらの主人公は東京から引っ越してきた、坂本…、じゃなかった中西ちあき(なかにし-)が主人公。町中で鹿に襲われた後、柔らかな胸に“ぼよん”とぶつかったところから、話が始まっています。彼女は春日野シロナ(はるひの-)。なんでも春日大社の神鹿(しんろく、神様を乗せる鹿)なのだそうです。

その神鹿が神通力によって美女でナイスバディの女子高生に化けているのは人間界を勉強するためなのですが、なぜかちあきには半人半獣に見えてしまうのが不思議なところです。普通は“触らぬ神に祟りなし”と言いますけど、ちあきはシロナのことが気になってしまいます。まあ、ナイスバディですしね。

その後、シロナしか部員のいない「倭まほろば郷土研究部」にちあきが入部したことで、一気に距離が近づきます。部活動名目のデートを繰り返すことで、さらに距離が近づ…かないんですよね。

この辺りは人間と神鹿のギャップ故で、2人とも相手を意識しつつも踏み込めない様子が描かれています。立場の違いから別れてしまうのは寂しいですし、と言って、くっつくのは難しそうですし、どんな展開になるのでしょうね。

【作品データ】
作品:14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。
作者:元町 夏央
連載:ぶんか社「ごはん日和」連載中
刊行状況:1~2巻発売中、以下続刊

【作品データ】
作品:まほろば小町ハルヒノさん
作者:ユウキ レイ
連載:芳文社「まんがタイム」連載中
刊行状況:6月7日、1巻発売予定