野球マンガの王道! まっすぐに心に響く野球版大河ドラマ『MAJOR』

つい先月(3月7日~21日)まで行われていたWBCでは、侍ジャパンが3大会ぶりに優勝。アメリカで活躍するメジャーリーガーも参戦して、その活躍に多くの人が熱中しました。その後は、高校野球の選抜大会が行われており、日本のプロ野球も3月30日に開幕。

近年はサッカーに押され気味な感もありますが、日本では人気のある競技のひとつが野球です。プロ野球選手を父に持つ息子を主人公に、幼児期からメジャーリーグでプレーして帰国するまでの成長期を描いた物語として、満田拓也先生の『MAJOR』を紹介します。本作は、シリーズ通算で発行部数5500万部を記録した人気シリーズです。

主人公は茂野吾郎。

物語は主人公視点で描かれ、以下9つのパートに分けることができます。

  • 幼稚園編
  • リトルリーグ編
  • 中学編(三船東中学校)
  • 高校編1(海堂学園高校)
  • 高校編2(聖秀学院高校)
  • マイナーリーグ編
  • W杯編
  • メジャーリーグ編
  • 日本プロ野球編

幼稚園で桃子先生(後の母親)が園児に将来の夢を質問している場面が、物語の始まり。迷いながら答える子もいれば、言いよどむ子もいる中、吾郎だけはまっすぐに「おとさん(父親)のようなプロ野球選手になるんだ」と言い切ります。

その後、終生のライバルとなる佐藤寿也との出会い、父親の打者転向や突然の死など、さまざまな挫折を味わいながら、プロ野球選手として成長していくまでの物語です。

本作の魅力は、物語の展開が王道なことでしょう。

一見すれば、物足りなさを覚える人もいるかもしれません。しかし、スーパーマン的な存在の主人公が挫折を乗り越えながら目的に向かって邁進する姿に、固唾を飲んで読み進めてしまいました。

私自身も何度も読んでいる作品のひとつですが、同じように読み返している人も多いようです。

また、名言が多い作品でもあります。

主人公の所属するチームは、何らかの問題を抱えていることがほとんどです。それでも、それらの数々を彼自身の持つ情熱で突き動かしていきます。

私の心に残っている言葉は3つ。

  • 人から言われてやる練習は、努力とは言わない
  • できるかできないかじゃねぇ。男ならやるかやらねぇかのどっちかしかねぇだろ。
  • リスクがあるから人生楽しいんじゃねぇの。

特に、少年編から高校時代は名言の宝庫です。

野球が好きな人はもちろん、野球をあまり見たことのない人にも強くおすすめします。

【作品データ】
作者:満田拓也
出版社:小学館
刊行状況:全78巻