女性用風俗店の実態に迫るお仕事コミック『女性に風俗って必要ですか?』

「風俗」と聞くと、どういう印象を持つでしょうか。利用する人は圧倒的に男性が多いので、女性であれば良い印象を持つ人はほとんどいないかもしれませんね。しかし、「女性用風俗」の原型が誕生したのは意外と古く江戸時代。150年~400年近く前からあったのです。

ちなみに女性用風俗は、店舗数・利用者ともに右肩上がり。そんな女性用風俗の知られざる裏側について、取材・経験に基づいて描かれたお仕事コミックとして、ヤチナツ先生作画・吉岡その先生原案の『女性に風俗って必要ですか?~アラサー独女の再就職先が女性向け風俗店の裏方だった件~』を紹介します。本作はWEBマンガサイトのくらげバンチにて読むことが可能です。

主人公は職なし・金なし・技術なし・彼氏なし、そしてアラサーの「私」。つまり原案者である吉岡その先生本人。彼女はコロナ不況で勤めていた店舗が閉鎖されたことに伴い、無職になってしまったのです。

物語は、その後女性用風俗店に再就職して男性セラピストに技能講習を受けているところからスタートします。

公開されている作品を全部読んで感じたことは、男性と女性での風俗店を利用する理由の違いです。

男性を対象にした風俗店であれば、その性的欲求を満たすために利用する人が多くいます。しかし、女性の場合まったく経験がない人、長年のセックスレスに悩む人など性的な問題にコンプレックスを持っている人が多く利用しているのです。

これらは女性にとって、「性の呪縛」として長年にわたって染みついています。この呪縛から解放するためにいるのが男性セラピスト。主人公の「私」は、お客様の予約管理だけでなく、そのお悩みごとにコース案内や担当のマッチングをする役割を担っています。

女性が風俗店を利用するとき、彼女たちは心に空いた穴を埋めるという目的があります。そのためには精神的な悩みを解決することが必要です。セラピストは、肉体的な満足だけでなく心に寄り添うことで両方の不安を癒やします。

そんな女性用風俗の知られざる実態を垣間見ることのできる、お仕事マンガとして読んでみることをおすすめします。

【作品データ】
作画:ヤチナツ
原案:吉岡その
出版社:新潮社
くらげバンチにて読めます。
刊行状況:既刊1巻