小学館「週刊少年サンデーS」にて好評連載中の『あだち勉物語~あだち充を漫画家にした男~』の展開が面白い場面を迎えています。
最新話きてたーーー!!!
「アハ!」も出ました!!!
あだち兄弟は麻雀も強かった!!!「『あだち勉物語』~あだち充を漫画家にした男~」が面白い! 第4話 室内ゲームの王様 #サンデーうぇぶりhttps://t.co/dfwXl8TxyN pic.twitter.com/Ot4jYdZ3J0
— ぶたお@もてラジ (@kentlow) December 11, 2020
本作は『連ちゃんパパ』で注目を集めた、ありま猛先生の最新作。タイト通りに“あだち勉”を主人公とした作品です。
「あだち勉?誰それ?あだち充とどう関係があるの?」と思う人も多いでしょう。『ナイン』『タッチ』『みゆき』『H2』など数々のヒット作を持つ、あだち充先生の実のお兄さんがあだち勉先生なんですね。
加えて、あだち勉先生がありま猛先生の師匠でもあることから、本作の発表につながっています。
タイトル通りに主人公はあだち勉先生なのですが、作者である、ありま猛先生の視点で描かれていること、さらにあだち勉先生が少なからぬ面であだち充先生に影響を与えていることから、実質的にはトリプル主人公となっています。
さらに、ありま猛先生が『ダメおやじ』『BAR レモンハート』などの代表作がある古谷三敏先生のアシスタントを務めていたことや、『おそ松くん』『天才バカボン』などを代表作に持つ赤塚不二夫先生のチーフアシスタントをあだち勉先生が担っていたこともあり、それらの人々を中心とした1980年頃の漫画界を取り巻く状況なども描かれています。ですので、古谷三敏先生や赤塚不二夫先生のファンにもお勧めの作品と言えます。
そこで気になるのは「どこまでリアルか」でしょう。ありま猛先生の体験に加えて、あだち充先生も協力に加わっていることから、極端な演出はないと思われます。
むしろ、単行本第1巻にあだち充先生が「ロクデナシぶりを5割増しにして読むと(あだち勉先生の)実像に近づける」と記していることや、本作の第1話で描写のあった「あだち勉を偲ぶ会」にて、あだち充先生が「身内以外の人から見ればかなり面白い主人公のドラマだったと思いますが」との発言からすると、あだち勉先生の言動は抑えていると判断するべきでしょう。
あだち充を漫画家にした男の話(1/6) pic.twitter.com/Sv9SikkLJj
— あだち充情報【公式】 (@mitsuru_mix) August 12, 2021
さて、直近の連載では、本作におけるキーパーソンの1人、サンデーの編集者である武居俊樹さんが、編集部内のあつれきと少女コミックのてこ入れを求められたことで、少女コミックの副編集長に就任しています。
その少女コミックにて1980年早々に始まる連載が『陽当たり良好!』なんですね。
その後、あだち充先生の人気が爆発するのは、多くの漫画ファンがご存じの通り(まあ同時期に『ナイン』もあるんですけど)。そして『みゆき』(「ビッグコミック」にて1980年に連載開始)、『タッチ』(「週刊少年サンデー」にて1981年に連載開始)となるのですが、その陰であだち勉先生がどう暗躍していたのか、本作の続きが楽しみです。
【作品データ】
作者:ありま猛、協力:あだち充
連載:小学館「週刊少年サンデーS」連載中
刊行状況:1~3巻発売中、2月10日(金)第4巻発売予定