学習意欲をかきたてられる? 学習参考書の編集部を舞台にしたお仕事コメディ『ガクサン』が熱い!

小学校から高校・大学受験まで、学習参考書(学参)にはほとんどの人がお世話になっているのではないでしょうか。ちなみに、私はよく間違えていたところを情報カードにまとめているうちに、覚えたことで得意になったという思い出があります。

今回ご紹介する佐原実波先生の『ガクサン』は、タイトルのとおり学習参考書の出版社(編集部)を舞台にした、参考書オタクとサブカルミーハー女子のお仕事コメディです。本作は昨年12月に連載がスタートして、早くも多くのファンがついています。

最初に軽くふれましたが、舞台となっているのは学習参考書出版社のいぶき社。主人公は、中途入社してお客様ご相談係に配属された茅野うるし(以下、うるし)とその上司である福山のふたりです。

うるしは、参考書にはほとんど知識がなく、どちらかといえばさまざまなことに興味を持つ一方で、ミーハーさが災いするのか熱中できるものがないサブカルミーハー女。一方の福山は、参考書マニアといえるほどの知識がありながら気難しい性格が災いしています。

本作の魅力は、実在の参考書がロングセラーになっている理由や、学習参考書の選び方をわかりやすい言葉で説明しているところです。勉強は学生だけでなく、大人になっても必要なものなので、選び方の視点は私たちにも参考になります。

その他、ミーハーな主人公が気難しい上司の福山を巻き込んで、新しいお客様ご相談係を作り上げようとするさま、編集部全体で良い参考書を作ろうとする姿勢は見習うべき点も多く、お仕事マンガとしても上質な作品に仕上がっているのではないでしょうか。

編集部を舞台にした作品には、松田奈緒子先生の『重版出来!』がありますが、『ガクサン』も勝るとも劣らない魅力のある作品です。参考書選びに悩んでいる人は多いと思うので、話数をしっかりとためてドラマ化もしくはアニメ化されることを期待します。

【作品データ】
作者:佐原実波
出版社:講談社(週刊モーニング)
刊行状況:既刊1巻