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臼井儀人先生の代表作といえば、過去の記事にも挙げた『クレヨンしんちゃん』です。しかし、現在は入手困難ということもあってか、元になった作品があることは意外と知られていません。
1987年に連載が開始された作品のタイトルは『たらくやストア物語』といいます。これを中心にして臼井先生の初期作品を集めた作品が、今回ご紹介する『臼井儀人こねくしょん』です。
本作は「Weekly漫画アクション」に連載された作品を再構成した短編集で、それぞれのサブタイトルは下記のようになっています。
- しんのすけ伝説
- かに玉組始末記
- 未成年の出張
1巻目のしんのすけ伝説は、デビュー作となった4コマ漫画でもある『だらくやストア物語』の主人公・二階堂信之介の一代記です。この作品はアクションコミックスで全3巻刊行されていますが、3巻に少年時代から社長になるまでのエピソードが『だらくや社長一代記』というタイトルで入っています。
担当編集者がこの話を読んで「これを独立させたら面白いのでは」と提案したことで、『クレヨンしんちゃん』が誕生しました。一代記に出てくる信之介もスケベでおバカな破天荒キャラです。キャッチコピーにも「これがオラのルーツだぞ。」と書かれているように、絵柄・キャラとも初期のしんちゃんに近近いので、特に初期が好きな人にオススメです。
2巻目は『かに玉組始末記』というサブタイトルがついており、人の良いやくざが笑いの大抗争を繰り広げます。こちらも初期のしんちゃんによく見られた作風につながっている作品です。
3巻目は『未成年の出張』というサブタイトルです。こちらは女子高生がさまざまなシチュエーションで青春の主張をしています。『クレヨンしんちゃん』にも「埼玉紅さそり隊」がいますが、これをもとにして作ったのかもしれませんね。
現在は入手困難な作品ですが、臼井先生の原点を知るために一読してみてはいかがでしょうか。
【作品データ】
作者:臼井儀人
出版社:双葉社
刊行状況:全3巻