年頃の男女による“感じたら負け”勝負って何?『ガイシューイッショク!』

今回紹介するのは、成り行きで同居した年頃の男女が“感じたら負け”勝負を繰り広げる、ちょっと変わった展開の漫画が『ガイシューイッショク!』(色白好)です。

主人公は不動産会社に勤務するサラリーマンの小森広海(こもり ひろみ)と新人漫画家の境みちる(さかい みちる)。家出同然に上京してきたみちるが広海の勤める不動産屋で新居を探すところから話が始まります。相場を無視したみちるの家探しは失敗するのですけど、電車での痴漢騒動をきっかけとして、みちるが広海のアパートに転がりこんだことで2人は同居に至ります。

若い男女が一つ屋根の下にいて何も起きないわけがない。そうセッ……もとい喧嘩です。どちらも折れないばかりに始まったのが、“感じたら負け”勝負なんですね。広海がみちるを愛撫して、みちるが10分以内に感じたら広海の勝ち。10分耐えきったらみちるの勝ち。負けた方が謝って勝った方の言うことを聞く、との勝負なんですね。

ちなみにこれまでの結果はみちるの全勝。いろんな作戦を立てて勝負に挑む広海の愛撫に、みちるがあぶない場面もあるのですけれども、結果的に広海が負けてしまいます。もっとも勝負ながらも年頃の女の子の体を好き放題触りまくれるんですから「どこが負けなんだ」と思う読者も多そうです。

強引に始まった同居生活。デビュー前からみちるを担当していた編集者の石井や広海の様子を見に来た両親が同居生活を知ってしまうことで新たな火種が加わります。みちるも連載が始まってそこそこ収入を得ているのでさっさと新居を探せばいいんですけども、1人暮らしが長かったのか家事の得意な広海との同居に居心地の良さを感じています。広海の方も可愛くってボンキュッボンのみちるを憎からず思っていますしね。“割れ鍋に綴じ蓋”ってこんなことを言うのかもしれません。

2020年10月23日発売のスペリオール21号では人気グラビアアイドルの十味(とーみ)さんによるみちるのコスプレ(と言うほど着てはいませんでしたが)グラビアを掲載。秀逸のできばえでした。

 

さて、作者の色白好先生。「なんて読むの?」と思う人もいるでしょう。“しきしろこのみ”なのだそうです。『ネトラセラレ』など竹書房を中心に成人向け漫画を描かれていましたが、2017年から小学館「ビッグコミックスペリオール」で本作の連載が始まりました。ちょっと気になるのが不定期連載なこと。コロナの影響もあるようながら、作者のツイッターによると体調を崩されているのだとか。

掲載は待ち遠しいものの何事も体が資本です。無理をしない範囲で頑張って欲しいなと。直近の連載では“感じたら負け”勝負を繰り広げる中で、広海とみちるに微妙な感情が生まれつつあります。そうなったらなったで編集者の石井も複雑な心境になってしまうんですよね。そんな三角関係がどうなっていくのか。楽しみに読んでいきたいと思います。

【作品データ】
作者:色白好
連載:小学館「ビッグコミックスペリオール」連載中
刊行状況:1~3巻発売中、第4巻3月30日発売