先生でも性別で差別される!?でも『保健室のせんせい。』の子供を思う気持ちは同じ!

【あらすじ】
日本では“養護教諭”と呼ばれている、いわゆる保健室の先生。この職は実は日本独自の文化なのだとか。『保健室のせんせい。』では、全国で約4万人いるとされている養護教諭のうち、わずか66人しかいないという男性の養護教諭を取り上げたお仕事漫画だ。

【みどころ】
東海地方の小学校で職を得た養護教諭の保坂は、自身が幼い頃に保健室の先生に救われた体験を持っていたため、同じように子供たちに寄り添えるような養護教諭を目指していた。しかし、子供からは「男の先生は嫌」と言われたり、他の教師からも珍しがられる。特に小学生は正直なので、言葉は直球なのに、態度は気持ちと裏腹だったり、いろいろいとややこしい年頃でもある。

かつて男子に「ブス」と言われて以来、マスクを手放せなくなった女児や、二次性徴への戸惑いのある年頃の児童、不登校児の保健室登校への対応など、養護教諭という職は決して「ただ保健室にいるだけの先生」ではない。しかし保坂は、かつて自分を救ってくれた恩師を思い出しながら、児童と一緒に歩もうとする。

現実としてはイジメの隠蔽や「見なかったことにする」という教師が後を絶たない中、こんな先生がいてくれたら学校が楽しくなるだろうな、と希望が持てる漫画だ。保坂自身が友人のいない幼少期を送っていただけに、大人になった今こそ子供に寄り添いたいという気持ちが純粋で温かい。男性であるがゆえの悩みや、児童との接し方に悩みつつも、保坂も一緒に成長していく。

多感な時期に出会った児童に大人が与える影響は大きい。それが学校内であればなおさらだろう。だからこそ、保坂は懸命に向き合おうとする。その姿は、大人の胸も熱くするだろう。

【作品データ】
・作者:水島ライカ
・出版社:KADOKAWA
・刊行状況:1〜3巻