竹内直子による少女漫画『美少女戦士セーラームーン』が今、アメリカ・カナダで絶大な人気を誇っている。アメリカでは過去にも、漫画の刊行・アニメ放送(2005年に打ち切り)と人気を博した作品だが、今回はその反響を遙かに凌駕するという。
母国日本でも近年、再びブームを巻き起こしていたことを鑑みても、この作品がいかに名作であるかは誰の目にも明らかだろう。けれど、日本では幼い世代からの人気が大半。一方、両国では大人からの支持も高いという。特に、これまで漫画自体に興味を示さなかった女性ファンの急増で、両国のコミック界に新たな風が吹いている。日本同様、依然として男性ファンの人気も根強いが、女性にはその作画の美しさがウケたのだろう。
アメリカでは昨年、ニールセン・ブックスキャンの集計によるグラフィックノベル部門(※)の売上で三ヶ月連続1位にランクイン(9月・10月は第1巻、11月は第2巻)したという。同ランキングには『コードネームはセーラーV』を始め、竹内直子の他3作品がTOP20に入っているようだ。
また、伝家の瓦版「ニューヨーク・タイムス」でも、その人気の高さは示された。ベストセラーリスト・MANGA部門で10月に3週連続1位を獲得し、5週連続でTOP10位入り。発売開始から2週間は『コードネームはセーラーV』と、1位・2位を独占した。講談社によると、第1巻初版出荷分の5万部がたった4週間で完売したという。日本と違い1万部売れたらベストセラーのアメリカで、それがどんな偉業かもうお分かりだろう。
あまりの熱狂ぶりからハリウッドで実写化された『ドラゴンボール』に続き、『美少女戦士セーラームーン』の実写化も囁かれている。現在の日本も他者批判できる状態ではないが、この作品を愛している一ファンとして言わせてもらう。
みんなの夢を壊さないでください。ホントに。
両国でこの作品が、末永く愛されることを心から願う。
(※)世界的な情報・調査企業のニールセン社が集計したコミック・ランキング。コミックストアやウォルマート、イベント会場だけの売り上げに止まらず、自営書店やネットショッピングを合わせて集計しランキングにしたもの。