安彦良和氏の新連載が現在発売中の講談社「アフタヌーン」3月号より始まった。タイトルは『天の血脈』。氏のアフタヌーン参戦はこれが初めてとなる。
<あらすじ>
明治三十六年、第一高等学校の学生で18歳の安積亮は帝国大学との合同調査隊に加わって海を渡る。目的は古代高句麗の王・広開土王の事跡を記した石碑の調査。
ところが、調査現場に襲来した馬賊により、仲間ともども拉致されてしまう。そこで彼が目にしたのは、ロシアの軍隊だった…。
安彦良和氏はご存じの通り、アニメーター出身の漫画家。サンライズにて数々のアニメのキャラクターデザインを手がけ、その代表作ともいえるTVアニメ『機動戦士ガンダム』のコミカライズ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を角川書店「ガンダムエース」にて10年にわたり連載し、昨年完結させたばかり。
新連載『天の血脈』は、昭和初期の満州を舞台にした『虹色のトロツキー』(1996・潮出版)、明治末期の日本・朝鮮・清を舞台に、二人の男の運命を描いた『王道の狗』(2000年・講談社)に続く近代史を扱った作品となる。
本作の時代背景は昨年NHKでもTV化された『坂の上の雲』の時代。日本はやがてロシアとの戦端を開き、大陸に進出して覇道を歩むことになる。安彦氏自身も「裏・坂の上の雲」と呼んでいるとか。
少年を襲う過酷な運命を通じて歴史の大きな流れを描くのは氏のお家芸。正統派の冒険活劇が期待できそうだ。