■2012年4月 BSプレミアムにてテレビ放送開始
<キャスト>市原隼人、成宮寛貴、黒川芽以、他
2012年、手塚治虫氏が手がけた長篇歴史漫画『陽だまりの樹』が、新たな産声をあげる。過去4回もの舞台化(2012年4月、5回目の公演を控えている)やアニメ化(2000年・日本テレビ系)を経てきた大作が、どのように生まれ変わるのかに注目が集まる。
舞台では大物俳優を起用してきた作品だが、ドラマでは実力派若手俳優がタッグを組んだ。義に生きた男・伊武谷万二郎を演じる市原隼人は時代劇初主演となる。対するもう一方の主演、情を重んじた蘭方医・手塚良庵には成宮寛貴が抜擢された。様々な作品に出演されているお二人だが、共演は今作が初めてとのこと。今作への意気込みを熱く語るお二人には、動乱の世を迷いながら駆け抜けた若者たちの姿が重なる。
「自分の生まれた国の歴史や心構えを伝えたい、自分自身も積極的に学びたい」と語る市原は〝熱い演技〟に定評がある。「改革を志す武士の生き様と葛藤に魅了された」という精神には、既に〝武士〟――〝日本の古きよき魂〟が息づいていると感じた。
一方、「(手塚氏の)作品を通して、世代を超えた多くの人に通用する役者に成長したい」と語った成宮は、すでに広い世代への認知度が高い。「役者人生に大きな意味を与える作品」主演への熱き想いを、言葉少なに眼力へと込めた。
手塚氏が巧みに描く新古の融合を、精神から体現していくドラマになることを期待する。
余談だが、お二人の配役は現実のキャラクターと相反するようだと感じた。それぞれのコメントからは、市原が〝奔放な性格〟で成宮が〝生真面目な性格〟に思えてならない。対照的なお二人の役作りにも注目したい。
【関連記事】
初共演!上川隆也×吉川晃司『陽だまりの樹』舞台化