社会人の共感を呼ぶコミックエッセイ『僕たちはもう帰りたい』

「全日本もう帰りたい協会」というツイッターのアカウントをご存知でしょうか。ツイッターで57万人以上のフォロワーを集めているアカウントですが、そこには「早く帰りたい」という人たちの叫びが溢れています。

仕事に追われる社会人であれば多くの人が心に秘めている「もう帰りたい」という思いを形にした作品が、今回紹介する『僕たちはもう帰りたい』です。

主人公は、どこにでもいそうな会社員。そんな彼らは、年齢や性別、立場もまったく異なります。しかし、共通しているのは「もう帰りたい」という思いです。

彼らは、このような理由でもう帰りたいと思っています。

・なぜ無意味な残業に付き合わなければならないのか?
・上司と発注先との板挟み。どうすればいい?
・上司の無茶振りがひどい
・会社の非効率をどうにかしたいけど、どうにもできない
・妻でも母でも社員でもない、私の時間がほしい
・優先順位がわからなくなってきた
・自分の居場所がわからない

理由はそれぞれ異なりますが、そんな彼らが抱えている思いを描いたコミックエッセイです。

物語はそんな彼らがストレスによって爆発する寸前のところからはじまり、「スナックもう帰りたい」に入った主人公が、スナックのママやそこにいるお客と話しをしていく中で解決へのヒントを得て、「帰りたい」と思っている自分を変えるべく行動するというのが基本的な流れ。

組織も同じ人間が運営しているものなので、作品で描かれているように進まないところもあるはずです。しかし、同じように悩んでいる人たちにとっては今後何をすべきなのか、どう行動すればいいのかなどのヒントになる作品ではないでしょうか。

これをマンガにしたのが、イラストレーターのさわぐちけいすけさん。

さわぐちさんは社会に生きる人たちの心境や夫婦円満の秘訣など、人々の心理を描いたコミックエッセイを描いており、自身のツイッターアカウントでマンガをポストしています。

絵柄を見ると背景のあるコマはさほど多くないので、書き込まれたマンガを見慣れた人は少し拍子抜けするところもありそうです。ただ、これはあくまでもコミックエッセイなので、私自身はそこまで違和感をおぼえることなく読みすすめることができました。

仕事で悩みを抱えている人は、このマンガを読むことで気持ちがスッキリさせて、次の行動を起こす準備をしてみてはどうでしょうか。

【作品データ】
・作者:さわぐちけいすけ
・出版社:ライツ社
・刊行状況:全1巻