アニメやゲーム、ドラマCD、そして声優業界をテーマにしたコミックスの映画化として話題を集めている実写映画『神☆ヴォイス』では、声優・梶 裕貴さんとダブル主演を果たすなど、幅広く活躍している声優・羽多野 渉さん。
歌唱力にも定評があり、数多くのキャラクターソングや、自身が声優・寺島拓篤さんとパーソナリティを務めるラジオ番組「羽多野・寺島 Radio 2D LOVE」から誕生したユニット『M.O.E(MUSIC OTAKU ENTERTAINMENT)』などで音楽活動をされていましたが、ついに羽多野 渉個人としてのアーティスト活動をスタートさせました。
そして去る2011年12月4日(日)。東京・Studio Cube 326にて、ソロアーティスト活動の開始と公式モバイルサイト『純喫茶ワタル』の開店を記念したイベントが開催されました。
当日の会場には、抽選によって選ばれた150名の『純喫茶ワタル』会員たちが集い、またインターネット上では、動画サイト「ニコニコ動画」内のコンテンツ・ニコニコ生放送にて生中継され、1万8千人を超える来場者数を記録しました。
リアルとネットがリンクして大盛況となった今回のイベント。その模様を、レポートしていきます。
イベント開演時間になると、場内に設置されたスクリーンに流れ出したのは『はじまりの日に』のミュージッククリップ。ミディアムテンポの曲に合わせ、会場の期待が高まっていきます。
そしていよいよ、「よろしくお願いしまーす! 羽多野渉でーす! どうぞよろしく!」と羽多野さんが登場! 「バトスピ好きかぁ~っ!?」とのかけ声とともに、TVアニメ『バトルスピリッツ 覇王(ヒーローズ)』エンディングテーマである『My Hero My No.1』を熱唱しました。
途中、衣装のストールがはずれてしまうというハプニングがあったものの、「なんかおもしろくなってきちゃった!」との羽多野さんの言葉に、会場も一気にヒートアップ。熱いステージとなりました。
『My Hero My No.1』がライブで披露されるのは今回が初めて。その興奮も冷めやらぬ中、トークコーナーが始まりました。ここで羽多野さんが舞台上に招き入れたのが、この日のMCを担当する声優・大橋隆昌さん。
オレンジ色を基調としたストライプ柄スーツにオレンジ色の羽ショールをまとい、とどめにオレンジ色のゴージャスな羽根飾り帽子というド派手な出で立ちで、見る者すべての度肝を抜きました。PCゲームでの共演以来親交を深めているとあって、ふたりの息はピッタリ。場内が笑いの渦に包まれていきます。
もちろん笑いだけでなく、ソロアーティストとして歌手活動をスタートさせるに至った経緯や、デビューシングルに収められた各楽曲についての制作秘話も語られ、お客さんが真剣に耳を傾ける一幕も。
『はじまりの日に』では、「ミディアムテンポが歌いたかった」という羽多野さんの希望を、打ち合わせ時にアニメの話に夢中になってしまい何も伝えられなかったのに、数週間後、「こういうイメージでやりたいんじゃないですか?」と『はじまりの日に』の候補曲を持ってきてくれ、思わず惚れてしまったというエピソードを披露。「プラス思考になれるような曲がいいなと思って。みなさんや自分に対する応援歌でもありますし、ゆっくりゆっくり歩いて行けたらいいな、という思いを込めています」と羽多野さん。
また『My Hero My No.1』については、「嬉しかったですねぇ。出演だけでなく、エンディングまで歌わせていただいて」と喜びを、人生初となる作詞を担当した『あなたへ』では、「音楽活動するだけでもひぃひぃ言ってるのに、『羽多野さん、作詞を……』って言われて。いやややや! って。ブログですら一週間に一回って状況で物を書くだなんて、みたいな所だったんですよ。だからとにかく、買ってくださる方は神様です。そういう方に向けて、素直に「ありがとうございます」という気持ちを込めました」と語っていました。
そして冒頭に流れた『はじまりの日に』ミュージッククリップの撮影秘話も語られました。ミュージッククリップは、背中から羽根を生やした天使風の羽多野さんがジャングルジムの頂上で立っているシーンから始まるのですが、そのシーンについて羽多野さんが、「いいんですよ。全然ガマンしなくていいと思います。僕も台本見た時は、『正気か!?』と思いましたからね(笑)」と言うと、会場からも思わず笑いが。
撮影は早朝で、犬の散歩などに来ているおじいちゃん、おばあちゃんたちを眼下に行われ、背中の羽根も「最初CGかと思ったら、『いえ、しょいます』って言われて(笑)」とシュールな状況だったそうです。「でもカメラのアングルとか音が合わさって、空が抜けるとキレイに青空が見えて。本当にビックリしました。(カメラマンさんは)映像のマジシャンでしたね」