ラーメン発見伝 (1) (ビッグコミックス)

寒い季節にアツいラーメン道!『ラーメン発見伝』

ラーメン発見伝 (1) (ビッグコミックス) 本格的に寒いシーズンが到来。ぶるぶる震えながら店に入って温かいモノを食べるのは最高だ。……というわけでaiさんのうどん記事に触発されて、今回はラーメン漫画をご紹介する。

 

このジャンル中で最大級の情報量を誇ると思われるのが、ビッグコミックスペリオールで連載されていた『ラーメン発見伝』(久部緑郎/河合単)だ。昼はグータラ会社員、夜は上司に内緒で屋台を引くラーメン職人、という藤本浩平が主人公。

そんな彼の会社がラーメン事業に乗り出すこととなり、担当者に任命された浩平が仕事でも深くラーメンに関わっていく物語である。ざっくりした表現だが、同じ小学館の国民的グルメ漫画『美味しんぼ』をラーメン限定にした感じといえば伝わりやすいだろうか。強力な職人とラーメン対決を繰り広げたり、時には人の悩みをラーメンで解決したり、話の展開にも共通点が多い。

しかしラーメンという一分野に絞っただけあってコンセプトがぼやけることなく、情報量は圧倒的。昔なつかしの中華そばはもちろん、重層的な味わいのニューウェーブ系、油そば、つけ麺などなど……。そこに多彩な創作ラーメンも加わり、読んでいて思わず「そんなラーメンもあったのか!?」と感心させられてしまう。単行本の巻末にもコラムが掲載され、とにかくボリューム満点だ。

作中でも述べられているとおり、1910年に醤油ラーメンのルーツ「来々軒」が開店して以来、日本のラーメン史は百年を数える。カレーと並ぶニッポン人の国民食、ラーメンはどのように発展して21世紀を迎えたか。全26巻におよぶ『ラーメン発見伝』を片手にひもといてみるのもおもしろいだろう。

なお本作のスピンオフとして、同じ作者コンビが贈る『らーめん才遊記』も現在連載中。ラーメン漫画にハマったらこちらもお勧めしたい。

【作品データ】
・作者/原作:河合単/久部緑郎
・出版社:小学館
・刊行状況:全26巻(完結)

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