並木橋通りアオバ自転車店 (1) (YKコミックス (945))

省エネの冬だから自転車パート1! 『並木橋通りアオバ自転車店』

並木橋通りアオバ自転車店 (1) (YKコミックス (945)) ■あなたは今、自転車に乗ってますか?
少しタイミングは逸しましたが、最近、自転車関係の法律がまた変わりました。主なところでは車道走行の強化、違法改造に対する厳罰などの要素が追加されています。明らかにマナーの悪い乗り手を規制するための法改正ですが、あらかじめ国自体が十分なインフラを整備しているとはいえず、改悪の側面も持っていると私は考えています。

とはいえ、皆さんは自転車のことをどれくらい知っているでしょうか? ケイデンスって何? ツールドフランス? ロードレーサー? 今回取り上げたいのはそんな専門知識ではなく、例えば今乗っている自転車はどんな自転車か、そんなことを教えてくれる作品『並木橋通りアオバ自転車店』です。

■アオバ自転車店って?
架空の街、並木橋商店街にある名物自転車屋「アオバ自転車店」。自転車のことしか考えていない自称看板娘の小学生アオバとその家族を中心に、並木橋周辺で起きる自転車トラブルを題材とした悲喜こもごものストーリーが毎日のように形を変えて産まれていくのでした。

■『アオバ自転車店』の見どころ
自転車を題材にした漫画は決して少なくありません。しかし、それらの作品の大半はレースを主体にしていて、レースに勝てる方法を中心に描いていますが、自転車そのものについてはほぼ語られません。

しかし本作はレース用ではなく“日常の自転車”を中心にした作品で、実在のメーカーの自転車やオリジナルの自転車を混ぜながら、乗り方、法に則った走り方、改造自転車の危険性について多く語られます。

では説教くさいのか、というとそんなことはありません。並木橋商店街の中にあるただの自転車屋であるアオバ自転車店に来訪したお客様が悩みを自転車で解決する、いわば美味しんぼ的ストーリー。全く関係ない場所で自転車に関わる思い出の人情話。未経験者が集まってレースをするためにぶつかり合う群像劇。自転車から付き合いが始まった男女のラブコメまで幅が広く、一話完結なのでどこからでも気楽に楽しめます。

ちょっと自転車に乗ってみようかという時に読むと、知識も増えて、つい心が温かくなる良作です。

■作品データ
・作者 :宮尾岳
・出版社 :少年画報社
・刊行状況:『並木橋通りアオバ自転車店』全20巻
      『アオバ自転車店』へ改題後18巻まで(続刊)
      外伝としてケイリンチャレンジ編1巻

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