【あらすじ】
天と地に平和をもたらした天帝と守護闘神・阿修羅王は謀反人・帝釈天の手によって討ち果たされた。それから300年、帝釈天によって恐怖に支配された世界で星見・九曜は最期の予言を残す。予言に従い天界最強の武神将・夜叉王は封印されし禁忌の子・阿修羅を解き放つ。しかしそれにより夜叉一族は帝釈天に滅ぼされ、夜叉王は謀反人として追われる身となる。
いつか必ず一族の無念を晴らす――そう誓った夜叉王は予言にある〝六星〟を探すため阿修羅と共に故郷を旅立つ。大きくうねる運命の波に二人の絆が打ち勝つことはできるのか。
【聖伝を語る】
月刊ウィングス(新書館)にて1989年から1996年まで連載していたCLAMPのデビュー作です。
当時その作画の美しさから漫画界に一大ブームを巻き起こし、特にコアなファンから絶大な支持を受けた作品でした。仏教の神々をモデルに描かれた世界観は多少倒錯的とも言えますがそれこそがこの作品の魅力に繋がっているのでしょう。
漫画に止どまらず画集、CDドラマ、OVAとメディアを広げ、2000年にはDVD化、2003年には文庫化も果たしました。これだけ見ても長い間愛されている作品だということは一目瞭然ですね。CLAMPファンの私にとっても大変嬉しいことです。
現在4人での活動をしているCLAMPですが当時は7人のメンバーがいました。役割分担がされている故か作画の細かさ、ストーリーの厚みは折り紙つきです。
無数に散りばめられた複線も最後にはきっちり繋がって収められているのだから感服しきり!
壮麗で重圧感のあるファンタジーをお探しの方にはうってつけの一冊です。儚くも激しい神々の〝聖なる伝承〟をとくとご覧あれ。
【作品データ】
・作者:CLAMP
・出版社 :新書館
・刊行状況:全10巻(完結)
【関連URL】
・CLAMP公式ウェブサイト|CLAMP-NET.COM
http://www.clamp-net.com/works/seiden