このクラスには何かがある……『シークレット』の意外な結末!

【あらすじ】
修学旅行中にバス事故に遭い、たった6人だけ生き残った生徒。体調不良で参加できなかった生徒は飛び降り自殺し、学校に派遣された心理カウンセラーは、残った6人の中に3人の殺人者がいると言う。まさか、あいつが……疑心暗鬼になって、お互いを避け始める6人だったが、徐々に真相が明らかになっていく。この心理カウンセラーの真意は一体?!『Doubt』、『JUDGE』で最後まで謎を明かさず、大どんでん返しの得意な外海良基氏が贈る、最新のソリッドシチュエーションスリラー!!

【みどころ】
心理カウンセラー三友真一の、衝撃の一言から幕開けするこの『シークレット』という作品。これまでの二作品とは少し趣が違うが、決まった人数の生徒に疑心暗鬼を植え付け、真実に辿り着くというスタイルは健在。
修学旅行のバスが事故を起こし、大半の生徒が死亡した中、6人だけがなんとか生き残り、その日は体調不良で参加できなかった1人が学校の屋上から飛び降り自殺。事故と自殺で片付けられたこの問題だったが、三友は3人の犯人が生き残りの生徒の中にいると言う。証拠もあると言い、犯人が誰であるかもわかっていながら、一週間の猶予を生徒たちに与える。その間に犯人は罪を悩み、苦しめと──。
最初に罪を認める者、仕方なく人を殺したハメになった者、殺すつもりはなかった者……犯人の3人は比較的早い段階で明らかにされるが、それだけで終わらないのが外海ワールドだ。表紙は前2作品と似ているが、『シークレット』は全3巻という比較的短いコンパクトな作品なので、かぶりものにはあまり意味はない。
それよりも気がかりなのは三友の発言と行動。彼こそ一番怪しいのだが、真実の中の真実は本当に最後の最後までわからない。果たして彼の言うように、3人の犯人は存在するのだろうか?残された生徒たちに望みはあるのか?希望と絶望が交錯する中、生徒たちの心の強さが試される!

【作品データ】
・作者:外海良基
・出版社:スクウェア・エニックス
・刊行状況:全3巻