日別アーカイブ: 2024/09/05

現代社会を生き抜く人たちの物語『路傍のフジイ〜偉大なる凡人からの便り〜』

誰かと比較してマウントを取ろうとする人、やたらと承認欲求を満たそうとする人、コスパばかりを追求しようとする人など、現代社会はストレスフル。意識しないようにしていても、知らぬ間にストレスに蝕まれることも珍しくありません。

普段は地味ながら、現代社会の価値観に抗うかっこいい大人を描いたマンガが、鍋倉夫先生の『路傍のフジイ〜偉大なる凡人からの便り〜』です。2023年10月の連載開始以来、固定ファンが多くついており、大きな話題を集めています。 続きを読む

その一言が患者を救う!精神医療の物語『Shrink~精神科医ヨワイ~』

「隠れ精神病大国」と呼ばれている、我が国日本。精神病患者の人数そのものは、諸外国(アメリカ等)と比較すると少ないのは確かです。しかし、男性では10~44歳、女性は15~34歳で最も多い死因が自殺。また、毎年およそ2万人が自ら命を絶つ深刻な状況が続いており、大きな社会問題となっています(出典:一般社団法人 いのち支える自殺対策推進センター)。

日本で精神科にかかる人が少ないのは、精神病への偏見の他、必要な情報が届いていないことが原因にあると考えられています。そこで、精神医療を身近なマンガの題材として取り上げるべく描かれたマンガが、七海仁先生原作・月子先生作画の『Shrink~精神科医ヨワイ~』です。精神医療をテーマにした作品は珍しいこともあり、2019年の連載開始から注目を集め、発行部数は110万部を超え、8月31日よりテレビドラマ化されます。 続きを読む

姉が好きな妹、妹がすきな親友~三角関係の物語『姉の親友、私の恋人』

同性(男性と男性、もしくは女性と女性)を好きになった経験のある方もいらっしゃるでしょう。ただ、それは「恋」という意味ではなく、友人としてもしくは憧れという意味での「好き」だった可能性もあります。

最初は甲斐甲斐しくお世話を焼いていたのが、だんだん心惹かれていって好きになるというパターンもありそうです。そんな恋愛を描いた作品として、藤松盟先生の『姉の親友、私の恋人』を紹介します。 続きを読む

パフェがつなぐサキュパスとパティシエールの甘い恋愛『あくまであまい私の彼女』

LGBT総合研究所(博報堂DYグループ)のアンケートによると、レズビアン(L)と答えた方は約1.7%。2016年のデータなので現在はもう少し増えている可能性もあるものの、やはり割合としては少ないですね。

恋愛の定番といえば、職場や趣味・習い事など共通点を持った者同士の自然な出会い。スイーツを共通項に、甘いもの好きのレズビアンカップルが出会う物語として、やとさきはる先生の『あくまであまい私の彼女』を紹介します。 続きを読む

江戸・吉原の花魁が現代に甦る!『安野モヨコ選集 さくらん』

東京・吉原といえば、江戸時代に栄えた遊郭の街です。もともとは江戸幕府が開設された直後、現在の日本橋人形町に作られ(本吉原)、後に台東区千束3・4丁目(浅草寺裏)に移転(新吉原)。現在は、日本最大の風俗街がある街として知られています。

古典落語や浪曲、歌舞伎でも舞台とする演目がある他、樋口一葉や森鴎外の小説や映画・ドラマでもよく取り上げられる吉原。今回紹介するのは、安野モヨコ先生のデビュー35周年を記念して復刻された『安野モヨコ選集 さくらん』です。2001年~2003年にかけて講談社の「イブニング」で第一章、2005年には第二章が連載されました。 続きを読む

世界で一番ちいさな手術の物語『ドクターチルドレン~小児外科医~』

乳幼児から15歳くらいまでの子どもを診察対象とするのが小児科。いわゆる総合病院・大学病院では、内科的処置をする科を小児科・新生児科、子どもに外科的手術を行うかを小児外科というように分けています(千葉大学大学院医学研究院 小児外科学より)。

講談社の医療・福祉をテーマにしたマンガ作品には人気作が多く、今年ドラマ化された『アンメット-ある脳外科医の日記-』や『はたらく細胞』、産婦人科医を描いた『コウノドリ』などがあり、発行部数は累計で1億部を突破しています。その中から今回紹介するのが、秋野桜花先生の『ドクターチルドレン~小児外科医~』です。 続きを読む