『GetBackers-奪還屋-』コンビ復活! 新連載『鬼若と牛若』

1999年から2007年まで週刊少年マガジン誌上にて連載された『GetBackers-奪還屋-』の 青木佑夜/綾峰欄人の新連載が4月21日発売のマガジン21号にてスタートした。タイトルは『鬼若と牛若 Edge of the World』
平安末期の都を舞台に、戦に敗れた武将の遺児である少年・牛若と、彼と運命的な出会いを遂げた金髪碧眼の異貌の青年・鬼若の活躍を描く。

牛若(あるいは紗那王)こと源義経はご存じの通り歴史上の人物で、平氏との戦いで敗死した武将・源義朝の遺児。
鎌倉幕府草創期に兄・源頼朝を助けて平家追討に功を挙げるも、政治的感覚のなさなどから兄に疎まれ、ついには最期を遂げるに至った悲劇性から「判官贔屓」などという言葉が生まれるほど日本人に愛されている人物である。
一方弁慶は怪力で有名で全国各地に「弁慶の引き摺り鐘」などの足跡を残しているが、当時の記録にはっきりとした記述がなく、伝説上の存在という説もある。
この二人や源平合戦を題材にした作品は過去にも数多く描かれている。現在連載中の作品としては月刊マガジンで沢田ひろふみ『紗那王義経』があり、安定した人気を保っている。
『紗那王義経』が少年誌らしい躍動感を保ちつつ比較的に史実に忠実なのに比べ、『鬼若
と牛若』はかなり表現の自由度が高く、『リョウ』(上田倫子・小学館)『源氏』(高河ゆん・新書館)のような、和風ファンタジーにカテゴライズすべき作品になりそうだ。

和風ファンタジーは常に一定の固定客を持つジャンルであり、綾峰氏の華やかな絵柄とあいまって人気の出る要素は充分にあると思われる。ただし、一定の人気のあるジャンル・題材であると同時に、史実に題材をとったというだけで「歴史もの」=「難しい」と食わず嫌いする層もあるので、広く万人に受け入れられるかというと疑問符をつけざるをえない。『Getbackers~奪還屋~』のようにアニメ・ゲーム化などのメディア展開ができるか…? という懸念も。

個人的には好きな時代でありジャンルなので、青木氏お得意の奔放なストーリー展開でぜひ読者を魅了してほしいところである。