“かもす”は漢字で書くと“醸す”、つまり“発酵する”“繁殖する”などの意味。
『もやしもん』は細菌を目視できる主人公、沢木惣右衛門直保(さわきそうえもんただやす)の大学生活を描いている。現在、講談社イブニングで好評連載中。2007年には、フジテレビのノイタミナ枠でアニメ化された。そして再び7月から、同じノイタミナ枠で実写+CG(コンピュータグラフィック)のドラマ化となる。
この漫画で人間以上に存在感のあるのが、細菌やウイルス達。日常生活でよく聞くところの、こうじ菌やイースト菌だ。味噌や酒の醸造、パンやお菓子作りなど、洋の東西を問わず、生活には欠かせない存在だ。もちろんそれらは、顕微鏡などを使わなくては見ることができない。しかし沢木惣右衛門直保は、そのままに見ることができてしまう。
沢木惣右衛門直保と聞いて、『変な名前だな』と思った人は正解。先祖代々、種麹屋を営む家に生まれ、屋号の“惣右衛門”が名前に入っている。種麹屋とは、味噌や酒造りの業者に種麹を卸す商売。それゆえに彼の能力と無関係ではなさそうだ。こうした異能感覚で有名なのは「絶対音感」だ。絶対音感を持った人は、いろんな音声を聞くと、音符に置き換わるのだとか。絶対音感が聴覚の異能感覚なら、沢木は視覚の異能感覚保持者と言えよう。
この『もやしもん』のドラマ化に当たって使われるのがCGだ。つまり「見えない」菌を、視聴者に「見せる」ためにCGが使われる。『どんな風に?』と思った人は、公式サイトを見て欲しい。トップページで雰囲気がつかめると思う。目新しい技術ではないが、『もやしもん』の世界を表現するにはピッタリの方法だ。7月の放送が待ち遠しい。沢木を演じるのは、D-BOYSの中村優一。菌ならずとも「イケメンだなぁ」と。そして農業大学の教授、樹慶蔵役の黒沢年雄が楽しみ。
原作のコミックスは8巻まで発行済み。
ビールやワインなどいろいろなものに取り組んできたが、再び大学に舞台を移し酒造りに向き合っている。今度は菌達と、どんなコミュニケーションが図られるだろうか。
■ドラマ『もやしもん』公式サイト
http://moyashimon.noitamina.tv/