二次元時代の申し子…『神のみぞ知るセカイ』アニメ化決定

週刊少年サンデーで連載中の『神のみぞ知るセカイ』がアニメ化されると発表され、ファンの話題になっている。すでに4月7日発売のサンデー本誌(2010年19号)で発表済みなのだが、告知が目立たなかったので気づかなかった人も多いのではないだろうか。コミックス最新刊の第8巻には「アニメ化」と大きく書いた帯が付いているので、書店で売り場を見れば非常にわかりやすい。

神のみぞ知るセカイ 8 (少年サンデーコミックス)

『神のみぞ知るセカイ』は2008年から連載されている異色ラブコメ漫画。作者は若木民喜。コンセプトを簡潔に書けば「ギャルゲー(美少女ゲーム)好きのオタク少年が、ゲームで培った口説きテクニックを駆使して現実の少女を攻略していく」というもの。他のラブコメ漫画のように主人公自身が恋愛にどっぷり没入してしまうのではなく、常に一歩退いたポジションから女性キャラにアプローチしていく恋愛過程が非常に斬新だ。

主人公の桂馬は「落とし神」との異名をとるほどの恋愛ゲームオタク。人間ギライな彼がひょんなことから悪魔少女と知り合い、彼女の頼みで「駆け魂」という悪い魂を捕らえる仕事のサポートをすることになる。取り憑かれた女の子たちから駆け魂を抜き出すには、まず恋愛をさせて心のスキマを埋めなくてはならない。そこで主人公の神がかったギャルゲー攻略スキルがフル活用される……というのがストーリーの流れである。

漫画なのでご都合主義な展開は多少あるものの、主人公が放つ「現実なんてクソゲーだ」「見えたぞ、エンディングが!」などインパクトが強い名ゼリフの数々、そして魅力的なキャラクターの絵柄などによって連載スタート時から大いに注目を集めていた。コミックス1巻の発売時はアキバの専門店をはじめ、多くの書店で売り切れて入手困難になったこともあった。

まだアニメ化と発表されただけで、それがテレビアニメなのか、OVAや単行本の付録アニメ(OAD付コミック)になるのか、具体的なところははっきりしていない。いずれにしてもオタク層からの支持があついタイトルなだけに、今後いっそう注目度が高まるのは間違いないだろう。