マンガ大賞2011ノミネート『主に泣いてます』レビュー

主に泣いてます(3) (モーニングKC)

■あらすじ
日本を代表する人気画家・青山仁のモデル兼愛人である紺野泉。類まれなる美貌を持つ泉に、周囲の男たちはみなトリコとなってしまう。しかし、その美しさゆえに彼女は幸せになれず、主に涙を流す不幸な日々を送っていた……

■みどころ
世間で「美人すぎる○○」という言葉が今だ騒がれています。
「女の涙は武器になる」と昔から言われています。
この物語のヒロイン・泉はまさにこれらの言葉を体現している女性です。
美人すぎる彼女の美しすぎる泣き顔を見て、男たちはほおっておけなくなってしまう。しかし、それがゆえに泉は男たちに付きまとわれ、同性からは嫉妬の嫌がらせを受け、真に愛する人はすでに妻子ある身で…と受難の日々。
本当に「主に泣いてばかり」の人生をすごしている泉です。

泉をとりまく人たちも、そんな彼女の不幸に巻き込まれていきます。
つねに泉を見守り、男たちが泉に惚れないように様々な作戦(泉にかぶり物させるetc)を駆使するクールな女子中学生・つね。

美しすぎる泉に心中穏やかではないが、泉やつねのペースに巻き込まれっぱなしの美大生・赤松。
泣いてばかりの泉のそばで、泣いてる暇もなく彼らはいつの間にか泉のトラブルを解決するために動いている。
これもまた、美しすぎる泉のなせる技なのでしょうか。

言葉だけで表すと不幸すぎる泉の日常ですが、そこはシュールなギャグに定評のある東村アキコ。主に泣いている泉の日常を、味のあるキャラクターたちが織りなす見事なスラップスティックコメディに仕上げています。

■受賞予測
作品は違えど、「マンガ大賞」第1回からこれで連続4年ノミネートとなった東村アキコ氏。しかし、今のところ受賞はなし。
まさに「M-1グランプリ」の笑い飯のごとし、無冠のマンガ大賞クイーンともいうべき。

ということで、あえてこの作品の予想には、「マンガ大賞」における東村アキコ氏の過去のデータを参照したい。

2008年:『ひまわりっ 〜健一レジェンド〜』で11位
2009年:『ママはテンパリスト』で8位
2010年:『海月姫』で7位。

見ていただくとわかるとおり、例年中位~下位というところでとどまっている状況です。
今回こそ満を持して…という声もあるかもしれないのですが、『主に泣いています』は、現在刊行中のコミック3巻までを見るかぎり、徐々にエンジンがかかってきた!というところで、まだはじけきった!爆発した!というところまでは、行っていない。
というわけで、過去データも考慮して予測すると、今回も中位にとどまるのではないかと考えられます。

余談ですが、今回、この『主に泣いてます』と『ドントクライ、ガ―ル』とまさに真逆のタイトル作品がノミネートに入ったのがなかなか興味深い。
主に泣いている美女と、泣いてる暇もない女子、果たしてどちらがより支持を集めるのでしょうか?

■作品情報
作者: 東村アキコ
出版社: 講談社
掲載誌: モーニング
既刊数: 3巻(続刊)

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