マンガ大賞2011ノミネート『花のズボラ飯』レビュー

花のズボラ飯

■あらすじ
夫が単身赴任中の主婦、駒沢 花(こまざわ はな)。ありあわせの材料で‘ズボラ飯’を作り、その出来ばえに狂喜乱舞する。

■みどころ
グルメ漫画にもいろいろありますが、『孤独のグルメ』を外すことはできません。中年男がいろんな店を食べ歩く漫画なのですが、その独特な雰囲気もあって、ファンも多く息の長い作品です。『孤独のグルメ』の原作者である久住昌之氏が、新たな側面を見せたのが、この『花のズボラ飯』です。

夫が単身赴任の主婦ならずとも、ありあわせの材料や間に合わせの料理で、食事を済ませたことのある人は少なくないはずです。それを‘ズボラ飯’とネーミングして、面白おかしく漫画にしています。まさにありあわせなので、実際に作ることも可能ですが、それこそ更に読者なりのアレンジをしても良いかと。それでより満足感を得られそうなメニューばかりです。ですから実践的なグルメ漫画の代表にもなり得ます。

作画を手がけたのは、うさく……もとい、水沢悦子氏。この『花のズボラ飯』が初コミックスのようですが、既に単行本を何冊も出している漫画家と、遜色ない水準の出来ばえです。特にズボラ飯を口にした花さんの描写が秀逸。中には『やりすぎだよ』と思うこともあるんですが、美味しいものを食べて周囲に誰も居なければ、あんな言動をしてしまうのかもしれません。もっといろいろな作品を読んでみたい漫画家さんです。それこそ「COMIC LO」とか「電撃大王」とか。

■受賞予測
個人的にイチオシ。候補となった13作品の内、『失恋ショコラティエ』『SARU』『ドリフターズ』を読んでいないので、完璧とは言えませんが、私が大賞に押したい作品です。
絵柄に嫌悪感を抱く人は少ないと思いますし、内容もB級グルメやちょい足しグルメのブームに乗っています。問題があるとすれば、未だ1巻しか発売されていないことでしょうか。マンガ大賞には話題提供による販促の面もありますし。それでも久住昌之作品全体を盛り上げる意味や、うさくんの『うさくんの脳みそやわらかい』『マコちゃん絵日記』ごと取り上げれ……もとい、水沢悦子氏の今後に期待する意味で十分かと思います。

■作品情報
作者: 原作:久住昌之、作画:水沢悦子
出版社: 秋田書店
掲載誌: Eleganceイブ
既刊数: 1巻(続刊)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>