マンガ大賞2011ノミネート『ドントクライ、ガール』レビュー

ドントクライ、ガール (ゼロコミックス)

■あらすじ
両親の不手際で、父の知人・升田の家に居候することになった女子高生・たえ子。しかし、同居することになった青年・升田は家の中では一糸まとわぬ姿で暮らす「裸族」だった。嫁入り前なのに、真っ裸の男と同居するというどうしようもない不幸な状況に追い込まれた、たえ子だったが…

■みどころ
「このマンガがすごい!2011 オンナ編」で1・2位独占という快挙を成し遂げたヤマシタトモコ。そして、その2位に輝いた作品がこの『ドントクライ、ガール』です。

「どうしようもない状況に立たされると、不思議と人は居直って強くなるもの」と、昔、どこかで聞いた覚えがありますが、「裸族」の男と同居することになったヒロイン・たえ子もまた、どうしようもない不幸な境地にたたされながらも、涙を超えて生きていきます。

「裸族」であることを悪がろうともせず、いたってマイペースな升田。しかし、彼は彼なりの愛情でたえ子を守ろうとしている。そして、そんな彼をなんとなく受け入れていくたえ子。

一応、恋愛らしく展開もうっすら見えますが、いわゆるロマンチックラブストーリーの体裁はなし。
ありえない状況の中での日常を描くシュールなコメディの中、交わされるたえ子と升田の会話は妙に真理をついていて、引き込まれていきます。
そして、たえ子と升田の関係はまさかまさか?の方向へと向かっていき、それすらもいつしか受け入れているたえ子。そう、女の子は実はとてもパワフルなのです。

すべてがありえない状況。しかし、もしかしたらありえるかもしれない。そして、この状況はもしかしたら「アリ」なのかもしれない。
だから、女の子は泣いている場合ではないんです。
女の子だって、現実を生きなくちゃいけないんですから。

読み終えた後、シュールな感覚を覚えながら、そんなうっすらとした不思議な決意?をも感じさせる作品です。

■受賞予測
インパクトは大。ただ、あらすじを見ていただくとわかるとおり、基本的にはシュールなコメディ。また、この作品の「ありえない状況」は、必ずしも万人が受け入れて感動するものではないと感じますので、ぶっちぎりで1位などは、ちょっと考えにくい。
ただ、一方で根強いファンがつく作品と感じられるので、その応援をうけて中位に食い込む…と予想します。

■作品情報
作者: ヤマシタトモコ
出版社: リブレ出版
掲載誌: クロフネZERO
既刊数: 全1巻

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