マンガ大賞2011ノミネート『刻刻』レビュー

刻刻(3) (モーニングKC)

■あらすじ
時間を止める機能を持った石をめぐり、石を受け継いだ家族と、それを狙う団体、真純実愛会が対立する。主人公の佑河樹里は、真純実愛会のメンバーに誘拐された兄と甥を救うべく、祖父と共に時間を止めて行動する。しかし相手の中にも、時間の止まった世界で行動できる者が居た。

■みどころ
木の葉を隠すには森の中、紙を隠すには本の中。では石を隠すには……表面に‘努力’と書いてテレビの上にでも置くか。

『刻刻』では、そのように隠されています。もっとも真純実愛会は見抜いてしまいましたが。時間の止まった世界にも一定のルールがあるため、主人公達は好き勝手できるわけではありません。しかしある程度のアドバンテージがあることは間違いなく、それをどの程度活かせるかどうかに事件解決がかかっています。

漫画も同様。特殊な世界設定を構築したとして、それを活かせるかどうかに、ヒットがかかってきます。今のところは巧みに描かれているものの、これから読者をどこまで引っ張っていけるか。主人公の少女時代の記憶が蘇ることで、状況の根深さも分かってきました。また主人公の父が、真純実愛会に惹かれている雰囲気もあります。収束までにどのくらいの時間が必要になるか。もちろん誘拐事件の解決だけでは済まなくなっているのは明らかです。

講談社のモーニング2で連載中(作/堀尾省太)ですが、不定期連載なこともあって進行の遅さは否めません。宗教団体らしい真純実愛会にしても、組織の一端が明かされたに過ぎないんですよね。創始者などは皆目分かっていないだけに、全容が明確になるだけでも、まだまだ時間がかかりそうです。じっくり腰を据えて待つしかないでしょう。

■受賞予測
コミックスは3巻まで発売されているが、先に書いた通り未だ序章との感が強い。今後の展開次第で、傑作にも駄作にもなりうる作品だと思う。もう少し様子を見てみたい作品。そう言った意味でも大賞の受賞は難しいのではないだろうか。

■作品情報
作者: 堀尾省太
出版社: 講談社
掲載誌: 増刊モーニング2
既刊数: 3巻まで(続刊)

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