年末恒例の祭典まで一ヶ月を切った。同人誌にしてもコスプレにしても、追い込みにかかっているところだろう。同人誌の印刷で、割増料金にならないように頑張って欲しい。
コスプレ文化は元々はアメリカのSFイベントで始まったものだそうだ。これが漫画やアニメと結びつくことで参加者が増え、発表する場も拡大した。この夏、名古屋で開催された世界コスプレサミットは8回目。そこで行われる世界コスプレチャンピオンシップでは、各国から参加したコスプレイヤー達が衣装と演技を競った。2008年のブラジル、昨年の日本に続き、今年はイタリアが優勝した。
異形な存在に対して、恐れと共に憧れの感情を抱くことは多い。その感情ゆえに仮装する行為が生まれたとも言える。古今東西、儀式や舞踏や演劇など、多くの場面で仮装が行われてきた。イギリスやギリシャの仮面劇、インドの古典舞踏、中国の京劇、日本の能や歌舞伎などが挙げられよう。思えば、歌舞伎役者が隈取(くまどり:歌舞伎役者が行う独特の化粧)と衣装を利かし見得(みえ)を切るのは、コスプレイヤーがキャラクターの名セリフを言うのに似ているところがある。
その歌舞伎の世界を描いた漫画が、講談社週刊モーニングの『かぶく者』(原作:デビッド・宮原、漫画:たなか亜希夫)だ。伝説の名優の血を引く若手役者、市坂新九郎が何人もの実力者と渡り合い、一流への階段を登っていく。伝統の枠をはみ出しがちな行動が睨まれることもあるが、舞台において結果を出すことで周囲に認めさせる。最終回では、クスッとさせるどんでん返しがある。コミックス全8巻が発売中。ぜひ読んで欲しい。歌舞伎の語源となった‘傾く(かぶく)者’がそこに居ることがわかるはずだ。
現代の‘かぶく者’であるコスプレイヤー達は、この冬どんな活躍を見せてくれるだろうか。

